大都市近郊区間 (高速道路)

大都市近郊区間について



大都市近郊区間（だいとしきんこうくかん）とは、高速自動車国道に設定された特別な料金体系を持つ区間で、主に東京と大阪の周辺に位置します。この区間では料金が通常の区間よりも高く、1キロメートルあたりの料金が普通区間の1.2倍に設定されています。これは、利用者にとって特に便利な主要道路の維持管理費用を考慮した結果です。

概要と導入経緯



この特別料金区間は1972年3月に提出された道路審議会の答申を基に導入されることとなりました。この報告書で、「建設費が非常に高く、その利用によって得られる利益が大きい」とされ、特例の料金が設定されることが適当とされました。同年の10月1日の料金改定で正式に導入され、現在も継続的に適用されています。

2014年4月時点では、普通車の通常料金は24.6円/kmに対し、大都市近郊区間では29.52円/kmという料金が設定されています。この差は、特定の道路の利用者に特別な負担を強いるもので、地域経済において重要な役割を果たしています。

対象路線



大都市近郊区間には、NEXCO各社によって許可されたいくつかの主要高速道路が含まれています。具体的には、東京近郊には次のような路線があります：


一方、大阪近郊に設定されている路線には、次のようなものがあります：


これらの区間は、主に都市の混雑や通勤利用の利便性を考慮し、特別料金が設定されています。

その他の料金制



大都市近郊区間は、対距離制に基づいているため、均一制区間や区間料金制には含まれません。ただし、一部の区間料金制の道路において、大都市近郊区間の料金水準が参考にされているケースも存在します。さらに、ETC割引制度の適用においても特別な取り扱いがされており、休日割引や平日朝夕割引の対象外とされています。

近年の変化



2021年5月1日以降、名古屋近郊の特定の高速道路についても、普通区間と同じ1.2倍の料金が適用されるようになりましたが、これらは依然として普通区間として扱われ、割引制度の対象となっています。具体的な区間には、E1 東名高速道路やE19 中央自動車道などが含まれます。

また、首都圏においては、圏央道や一般有料道路、首都高速道路の料金が統一され、特別な料金水準が設けられています。しかし、料金計算に関しては、従来の独自の体系を維持することで、利用者に様々な選択肢を提供しています。

結論



大都市近郊区間は、都市間の交通の便を図るため、ごく限られた区間で特別料金が設定されている制度です。これにより、利用者は便利な交通手段を確保しつつ、料金についても慎重に考慮する必要があります。これからも、高速道路の料金体系の変化に注目し、利用スタイルを模索していくことが重要です。

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