大里村 (沖縄県)

大里村の概要

大里村（おおざとそん）は、沖縄本島の南部に位置する村です。この村は沖縄県において海に面していない珍しい自治体であり、南風原町、東風平町、具志頭村との合併を目指して協議を行いましたが、意見がまとまらず、2004年9月30日に合併協議会は解散しました。しかし、その後、玉城村、知念村、佐敷町と共に合併し、2006年1月1日に南城市（なんじょうし）が誕生し、大里村は消滅しました。消滅後は、村役場のあった仲間に南城市役所大里庁舎が設置されています。

地理と隣接する自治体

大里村の地理は独特で、村内は数つの字（あざ）に分かれており、稲嶺（いなみね）、具志頭（ぐしちゃん）、大里（おおざと）、大城（おおしろ）、高平（たかひら）、仲間（なかま）、古堅（ふるげん）、嶺井（みねい）などがあります。隣接する自治体には、南風原町、東風平町（現在の八重瀬町）、与那原町、佐敷町（南城市に編入）、玉城村、具志頭村などがあります。1949年までは西原村（現在の西原町）にも近接していました。

歴史的背景

大里村は、古くから歴史に登場し、「島添大里」という名称で知られていました。三山時代（1314 - 1429年）には、南山王の拠点として認識され、島尻大里との区別が必要でした。その後、1609年の検地では25村が存在し、1737年には現在の行政区分が整えられました。近代化の波が訪れると、1908年に大里間切から大里村となり、1930年には台風による被害が出るなど、厳しい環境が続きました。

1949年の与那原町の分立によって、村役場が中心地の仲間に移転し、村内はより内陸都市化が進みました。1985年には村花と村木も制定され、1990年代には住宅地が開発されるなど、人口が増加しました。

合併後は住所が「南城市大里字○○」となり、地域の名前が引き継がれています。大里地域には、琉球王子である具志頭王子の墓などの歴史的な名所も存在し、地域内には当時の戦争の名残として手榴弾が発見されることもあります。

交通とインフラ

大里村には多くの主要道路が通っており、沖縄県道77号糸満与那原線や沖縄県道86号南風原知念線などがあります。これらの道路は交通の要所となっており、地域高規格道路も計画されています。また、路線バスも運行されており、琉球バス交通や沖縄バスが村内を通過しています。バス路線は那覇バスターミナルから各地にアクセスする便が多く、地域住民の日常生活を支えています。

教育と主要施設

大里地域には、南城市立大里中学校や大里北小学校、大里南小学校、また幼稚園も設置されています。教育機関は地域の子どもたちの学びの場として重要な役割を果たしています。また、那覇地方法務局大里出張所や沖縄県食肉センターなどの公共施設が存在し、地域住民の生活を支える基盤となっています。

大里村はその歴史的、地理的な特性から、地域の文化や伝統を色濃く残しており、住民にとっても愛着のある場所でした。南城市としての発展を続ける中で、かつての大里村の記憶が地域のアイデンティティとして受け継がれていることが期待されます。

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