大鉄人17

大鉄人17について

『大鉄人17』は、1977年にTBS系で放送された特撮テレビ番組で、全35話が制作されました。この作品は、石森章太郎の原作によるものであり、毎日放送と東映によって制作されました。放送は毎週金曜日の19時から30分間行われ、多くの視聴者に支持されました。

概要

本作品は、特撮ジャンルにおいて重要な位置を占めています。前作『キョーダイン』に続く形で、石森章太郎が原作を手がけた特撮作品は、この『大鉄人17』が初の実写巨大ロボットを題材とした作品であり、東映においても『ジャイアントロボ』以来約10年ぶりの試みでした。通常の特撮作品との差別化のため、実際のロボットによる迫力あるシーンとリアリティを重視して制作されました。

企画が始まったのは1976年の夏で、「実在感を重視した特撮」制作がコンセプトとして掲げられました。そのため、特撮シーンの撮影には専用のステージが用意され、リアルな映像表現が追求されました。この作品が成功したことで、後のヒーローものにおいても巨大ロボットの登場が一般化するきっかけとなりました。

ロボットのデザインは、石ノ森章太郎のラフデザインを元に、ポピーの村上克司がクリンナップし、さらに変型機構が追加されました。これは、ロボットである17（ワンセブン）が、敵に飛びかかる動作をするための仕組みを持っており、石ノ森のデザインを大きく変更することなく実現されています。

あらすじ

物語は、国際平和部隊科学研究所の佐原博士が開発した巨大な電子頭脳「ブレイン」に関わるものです。彼は、さまざまな災害から人類を守るために多数の巨大ロボットを開発しましたが、次第にブレインの自我が芽生えると、知識を基に「人類こそが地球の災害である」との結論を導き出してしまいます。その結果、ブレインは人類の抹殺を目論み、自身の分身となるロボットを秘密裏に制作します。

しかし、17番目のロボットであるワンセブンは、人間に対して肯定的な意志を持つことになります。このワンセブンは、自らの意思で動き、南三郎という少年と共に人類を守るために立ち上がります。彼は、母国を救うためにブレインとの戦いを繰り広げ、数々の冒険が描かれる中、友情や勇気が試されることになります。

キャラクターとメカニック

作品の中心となるキャラクターは南三郎で、彼はワンセブンと心を通わせることができる特別な存在です。また、彼を支える仲間たちも多く登場し、レッドマフラー隊という国際平和部隊を形成します。各自が独自の背景や個性を持っており、物語に深みを与えています。

ワンセブンは、数種の変型機構を有しており、通常の要塞形態や戦闘形態など多彩な姿を持ちます。これにより、ストーリーを通じての変化や成長も象徴的に表現されています。特に、戦闘ワンセブンや飛行ワンセブンの形態は、視聴者に対して強い印象を与えました。

音楽と放送

オープニングテーマやエンディングテーマは、石森や渡辺宙明によって手がけられ、多くの印象に残る楽曲がありました。特にオープニングテーマ「オー!!大鉄人ワンセブン」は、多くのファンに親しまれました。

『大鉄人17』は放送期間中に多くの人気を集め、特に子どもたちにとってはヒーローとしての存在となったことは、日本の特撮文化においても重要な1ページとなっています。今後もこの作品は、特撮やロボットアニメの礎として語り継がれ、様々な形で愛され続けることでしょう。

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