大鐙閣

株式会社 大鐙閣について

株式会社 大鐙閣は、日本の教育出版社として大正時代から昭和時代にかけて活動していました。その本社は東京市京橋区桶町に置かれ、大阪では三休橋南に運営拠点を持っていました。主な出版物には雑誌や翻訳書が含まれ、特に学問的な内容に焦点を当てて、多くの価値ある情報を提供していました。

沿革

株式会社 大鐙閣の歴史は1917年に始まります。この年、同社は『歴史と地理』シリーズの刊行をスタートしました。このシリーズは、1917年11月から1934年10月までの間、全34巻が発行され、特に史学と地理学に関する内容が盛り込まれ、多くの支持を集めました。最初の2年間においては、史学地理学同攷会がこのシリーズの編纂を行っていました。

1918年には池辺義象編纂の『日本法制史書目解題』が刊行され、法律に関する資料の提供も行いました。続く1919年には、民本主義を支持する黎明会が主導した機関誌『解放』が創刊され、初版は3万部に達しました。この雑誌は、当時の社会状況を反映した内容が含まれており、多くの読者に影響を与えました。

1920年には、経済学者カール・マルクスの著作をまとめた『マルクス全集』の刊行が始まりました。この全集は全11冊の発行が予定されていましたが、実際には全てが刊行されることは無く、結果的に10冊が発行されました。特に初版の『資本論』は、日本語での完訳として初めてのものであったことから、学術界で非常に重要視されました。

1921年の10月27日には『ウェルズ世界文化史大系』の刊行が始まり、全6巻のシリーズとして多くの文化的資料が提供されました。また、1922年には、第一線の学者によって編纂された『日本文化史』が全12巻で発行され、これはアメリカの大学でも評価される日本研究資料として認識されました。これらの出版物は、日本の文化や歴史を理解するための貴重な資源となりました。

関東大震災の影響を受けながらも、大鐙閣は1930年頃まで営業を続けましたが、その後の事情で消滅してしまいました。しかし、この出版社が世に送り出した多くの書籍や資料は、今もなお学問的な価値を持ち続けています。特に、『歴史と地理』シリーズや『マルクス全集』、さらには『日本文化史』は、当時の学術研究や教育において大きな役割を果たしたことは間違いありません。

主な出版物

• - 『歴史と地理』シリーズ: 1917年から1934年にかけて発行されたシリーズで、全34巻。
• - 『マルクス全集』: 経済学者カール・マルクスの著作をまとめたもので、全11巻が予定され、実際には10冊が刊行された。
• - 『日本文化史』: 全12巻からなるシリーズで、日本の文化を探求するための重要な資料とされている。

このように、大鐙閣は教育出版の分野において重要な役割を果たしており、多くの人々に知識を提供しました。

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