大長九郎

大長 九郎（だいちょう くろう）について

大長九郎は、1875年3月2日に岡山県御津郡牧石村に生まれた日本の武術家であり、力信流の九代目師範として知られています。彼はまた、大日本武徳会剣道教士であり、全日本剣道連盟の範士としての資格も持っています。

経歴の始まり

九郎は14歳のときに、力信流の師である大江安左衛門吉光と大江和三郎に師事し、柔術、剣術、棒術、居合術を学び始めました。1897年には免許を授与され、武術における確かな基礎を築きました。また、彼は竹内流の柔術においても免許皆伝を取得しています。

試合経験と思索

1892年、岡山市において柔術と角力の試合が行われ、九郎は飛び入りで勝負に出ましたが、結果は敗北に終わりました。この経験は彼にとって大きな教訓となり、翌日には再度挑戦し、今度は引き分けとなりました。しかし、彼はこの結果を冷静に分析し、単に経験が不足していたということを実感しました。これを契機に、彼は柔術における乱捕の重要性に気づき、形と乱捕を組み合わせて学ぶことに決めました。

その後、角力との試合も行い、何度も試合を重ねましたが、ついには敗北を喫することはありませんでした。この経験は彼の武道観に強い影響を与え、さらなる向上心を持って武術に取り組む姿勢を育みました。

教育と指導者としての活動

1894年からは助教となり、全国各地の支部を巡回して力信流の教授に努めました。この活動を通じて、彼は多くの後進を育成し、武術の普及に貢献しました。また、同年には早縄や十手、捕手術を学び、武術の幅を広げています。

柔道整復師としての業績

1920年12月には柔道整復師の試験に合格するなど、彼の活動は武術だけに留まらず、治療や整復技術の分野にも広がりました。こうした多岐にわたる業績は、他の武道家たちにも影響を与え、武道界における重要な人物として位置付けられることとなりました。

参考文献

• - 飯島唯一編『日本武術名家伝』日本武術名家伝出版所、1902年
• - 宮内省監修『昭和天覧試合:皇太子殿下御誕生奉祝』大日本雄弁会講談社、1934年
• - 中野銀郎著『接骨學會紳士録』接骨學會事務局、1936年

彼の業績や武道に対する情熱は、後世にわたって多くの人々に影響を与え続けているのです。

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