大門宏

大門宏：日本の自転車ロードレース界を牽引する名監督

大門宏（だいもん ひろし）は、1962年2月16日生まれ、石川県出身の元自転車ロードレース選手であり、現在はTEAM NIPPO-PROVENCE-PTS CONTI(SUI)の監督を務める、日本を代表する人物です。

選手時代：輝かしい実績

中京大学時代には、全日本大学対抗選手権自転車競技大会（インカレ）で2連覇を達成。1984年にシマノレーシングに加入しますが、翌年発生した日本航空123便墜落事故の影響でチームを離脱。1986年からはスイスを拠点とするチームへ移籍し、長年にわたりヨーロッパのレースで活躍しました。

1990年には、スイスのMAVIC-GITANE・VC LUGANOに所属しながら、日本初の本格的なプロチームであるEPSON BOSCOにも参加。

1991年には、スイスのMAVIC GITAN-TICINO VITAに所属しつつ、日本鋪道にも加入。全日本選手権で優勝、トラックレース世界選手権・アマポイントレースで6位入賞（日本人初）という輝かしい成績を収めました。翌年のバルセロナオリンピックにも出場しています。

また、ヨーロッパで日本のナショナルチームを結成し、イタリアを中心としたレースで好成績を記録しました。

1994年に日本鋪道専属となり、1995年には選手兼任監督に就任しました。

監督時代：チームをアジアトップレベルへ

1996年より日本鋪道のGM/監督専任となり、チームNIPPOをUCIアジアツアーのチームランキング1位に導くなど、アジアトップレベルのチームへと成長させました。また、全日本ナショナルチームの監督も務め、その手腕を発揮しています。

2007年には、浅田顕と共にNIPPOコーポレーション・梅丹本舗・エキップアサダの監督も兼任。

2010年には若手育成のため、ベルギーにチームユーラシア・ムセウバイクスを発足。元世界チャンピオンのヨハン・ムセウをアドバイザーとして迎えました。

人柄：日本のロードレース界への貢献

大門宏は、ヨーロッパ事情に精通しており、エキップアサダ代表の浅田顕らと共に、日本のロードレース界の発展に長年尽力してきました。現在トップシーンで活躍する日本人選手で、彼に世話になっていない者はいないと言われるほど、日本と世界の橋渡し役として地道な活動を続けています。

元選手で現チームユーラシア監督の橋川健は、大門宏を「自分のキャリアとして残らないことでも、日本の自転車競技界のためと思えば手を差し伸べる、影で暗躍するタイプの人物」と評しています。

J SPORTS等の解説では厳しい表情を見せることもありますが、実際は優しく面倒見が良く、選手からの信頼も厚い人物です。常にチームや選手のことを第一に考えて行動する姿勢は、多くの人々に感銘を与えています。

尊敬する人物は、シマノレーシング時代の監督である辻昌憲です。

大門宏の存在は、日本の自転車ロードレース界にとってかけがえのないものであり、彼の功績は今後も語り継がれていくでしょう。

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