大門発電所

大門発電所の概要

大門発電所（だいもんはつでんしょ）は、福岡県北九州市小倉北区鋳物師町にかつて存在した石炭火力発電所です。この発電所は、1911年に運転を開始し、1958年まで運転されました。設立当初は九州電気軌道により建設され、その後日本発送電や九州電力へと運営が引き継がれました。最盛期には4万6250キロワットの出力を誇り、戦前期の北九州工業地帯において重要な電力供給源となっていました。

歴史的背景

大門発電所の起源は1908年にさかのぼります。この年、九州電気軌道が設立され、電気鉄道事業とともに電気供給事業を行うことが決定されました。1911年5月に発電所が竣工し、同月中旬から営業を開始。発電所の開設により、これまで分散していた小規模発電所が統合され、効率的な電力供給が実現しました。

運転開始から半年後には供給事業の拡大が求められ、早速拡張工事が行われました。1912年6月には発電設備が増設され、火力発電に特化した運営が続きました。その後も大正時代を通じて複数の拡張工事が実施され、発電能力は次第に増強されていきました。

拡張と改良

1914年から1919年にかけて、発電機とボイラーの増設が行われ、出力は大きく向上しました。特に1918年には1万キロワットの発電機が追加され、1927年には1万2500キロワットの発電機が増設され、合計で4万6250キロワットの最大出力を達成しました。このような拡張により、大門発電所は九州電気軌道にとって唯一の電力供給元として重要な役割を果たしました。

所属の変遷

1938年、政府による発送電管理が強化されたことを受けて、大門発電所は日本発送電に帰属することになりました。これにより九州電気軌道は電力供給事業から撤退し、以後は交通事業に専念することとなりました。1941年には九州電力が設立され、発電所はその管理下に置かれるようになりました。

しかし、新しい大容量火力発電所の建設が進む中、大門発電所はその運営効率の低下から徐々に存在価値が薄れていきました。最終的に1958年11月13日、発電所は廃止となりました。

発電所の設備

大門発電所では多数のボイラーと発電機が設置されていました。1913年に製造されたボイラーは3缶設置され、その他にも火力を税原するために多くのボイラーと発電機が追加されていました。タービン発電機もさまざまな種類が導入されたことにより、運転開始当初から最新技術が随時取り入れられ、効率的な発電が実現されていました。

結論

大門発電所は、北九州地域の電力供給において大きな役割を果たし、数十年にわたり多くの人々に電力を提供してきました。その歴史は、地域の産業発展や電力供給の変遷を象徴しており、今日の電力業界の発展にも大きな影響を与えました。

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