日本発送電

日本発送電株式会社の概要

日本発送電株式会社（にっぽんはっそうでん）は、1939年から1951年まで存在し、日本の電力業界を一手に管理した特殊会社でした。略称は「日発」で、英語ではNippon Hassoden K.K.またはJapan Electric Generation and Transmission Companyとして知られています。これは当時の日本政府が推進していた電力国家管理政策に基づくもので、商業主義が支配する電力業界を近代化するために設立されました。

設立の背景

日本の電気事業は1882年の東京電燈の設立に始まり、その後電気関連企業が続々と誕生しました。電力業界は、1891年の帝国議会仮議事堂火災を受け、電気関連法規が整備されることとなりましたが、当時の企業間競争は激化し、様々な電力会社が誕生しました。特に、五大電力会社と呼ばれる企業群が主導する形で電力市場が形成されました。

1932年には電力連盟が結成され、業界の抱える負担の軽減や共通する課題への対策が図られました。しかし、経済の厳しい状況や電力会社間の競争が進む中、政府は電力の国家管理を強化する方針を打ち出します。これが日本発送電設立の直接的な原因となりました。

日本発送電の事業内容

日本発送電は、発電および送電業務を中心に事業を展開し、電力の安定供給を目指す半官半民の特殊会社として設立されました。政府は、日本発送電の運営に対して強い影響力を持ち、経営決定に関しても大きな権限を持ち続けました。このような背景から、日本発送電は事実上の国営企業として機能し、電力管理の主要な役割を担うこととなったのです。

実行計画と発電所の設置

発足当初、発電所は134箇所、197万6,800キロワットという大規模なものでした。また、経済的な戦時体制下で新規の電力資源開発が進められ、その計画には水力発電が重点的に位置付けられました。各地において新たなダム式発電所が立ち上がる一方、数々の電力施設が統合されました。

1941年には、さらなる効率化を目指して配電統制令が公布され、全国の配電事業者が統合され、新たな配電体制が確立されました。この統合は、戦時中の電力供給の効率化を図るための重要な政策として機能しました。

戦後の再編成と解体

しかし、終戦後、日本は急速な電力需要の増加に直面し、ではあるが、戦時中の間接的な管理体制が原因で電力供給に著しい不足が生じました。日本発送電は、GHQによる財閥解体や経済政策の影響を受け、1947年には過度経済力集中排除法が施行され、企業再編が進められました。

結局、日本発送電は1951年5月1日をもって、全国9地域の電力会社に分割され、その活動に終止符を打ちました。この解体により、地域ごとに電力会社が設立され、それぞれが効率的な電力供給を目指す体制に移行しました。

結論

日本発送電株式会社は、設立から解体に至るまで、日本の電力業界の形を大きく変革した重要な企業でした。この半官半民の企業モデルは、当時の国策に強く影響を受けながら、電力供給の安定を図ろうとした試みとして記憶されています。

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