大阪国際室内楽コンクール
大阪国際室内楽コンクール
大阪国際室内楽コンクール（英: Osaka International Chamber Music Competition）は、公益財団法人日本室内楽振興財団が主催し、3年に一度開催される国際的な規模の室内楽コンクールです。1993年に産声を上げ、その賞金規模や実績から「世界四大室内楽コンクール」の一つに数えられることもあり、世界の第一線で活躍する多くの室内楽団体がこのコンクールを通じて評価を得ています。
このコンクールは、一貫して設けられている第1部門「弦楽四重奏」と、開催回ごとに編成が変更される第2部門で構成されています。異なる楽器編成やスタイルを持つ多様なアンサンブルが集まることにより、室内楽の幅広い可能性が示される場となっています。また、1997年からは国際音楽コンクール世界連盟（WFIMC）の会員に名を連ねており、その国際的な権威と位置づけが確立されています。
コンクールと併せて開催される大阪国際室内楽フェスタも、このイベントの重要な要素です。こちらはクラシック音楽にとどまらず、伝統音楽や民族音楽など、非常に多岐にわたるジャンルの室内楽アンサンブルが参加する催しであり、コンクールとは異なるアプローチで室内楽の魅力を発信しています。
課題曲に関しては、極端な難曲が出題されるわけではありませんが、新作委嘱は継続して行われており、特に委嘱作品においては高度な演奏技術や解釈が求められる傾向にあります。
コンクールの歴史において特筆すべきは、2020年に開催予定だった第10回大会です。当初5月の開催を目指していましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、一度は2021年5月への延期が発表されました。しかしながら、最終的にはやむなく中止という判断が下されました。この未曾有の事態を経て、次回の第11回大会は2023年5月に、「大阪国際室内楽コンクール＆フェスタ2023」として無事開催に至りました。今後の開催としては、次々回にあたる第12回大会が2026年に予定されています。
歴代優勝団体（第1位）
以下に、各回コンクールの第1部門および第2部門における第1位団体の一部を抜粋して示します。（注：第2部門で複数の団体が1位となった回があります。）
| 開催年 | 第1部門 弦楽四重奏 | 第2部門 |
|---|---|---|
| :- | :------- | :----------------- |
| 第1回（1993年） | オルフェウス弦楽四重奏団（ドイツ） | トリオ・ジャンポール（ドイツ）、デロス・クィンテット（ドイツ） |
| 第2回（1996年） | ヘンシェル四重奏団（ドイツ） | リゲティ・ストリング・トリオ （フランス）、イーゾン・アンサンブル・ヴィエンナ （オーストリア） |
| 第3回（1999年） | ベルチャ・クァルテット （イギリス） | エルサレム・トリオ（イスラエル） |
| 第4回（2002年） | タンク・ストリーム・クァルテット（オーストラリア） | ジュピター・トリオ（アメリカ） |
| 第5回（2005年） | ベネヴィッツ・クァルテット（チェコ） | ハバネラ・サクソフォン四重奏団（フランス）、RNO木管五重奏団（ロシア） |
| 第6回（2008年） | ドーリック弦楽四重奏団（イギリス） | ダリ・ピアノ・トリオ（フランス） |
| 第7回（2011年） | アタッカ・クァルテット（アメリカ） | モーフィン・クァルテット（フランス） |
| 第8回（2014年） | アルカディア・クァルテット（ルーマニア） | トリオ・ラフォール（スイス） |
| 第9回（2017年） | アイズリ・クァルテット（アメリカ） | クワチュオール・ザイール（フランス） |
| 第10回（2020年） | 中止 | 中止 |
| 第11回（2023年） | クァルテット・インダコ（イタリア） | カピバラ・ピアノ・クァルテット（ドイツ） |
このコンクールは、若手から中堅の室内楽団体にとって重要な登竜門であるとともに、室内楽というジャンルの普及と発展に貢献する貴重な機会であり続けています。
（本記事は提供された情報を基に記述しており、詳細な参加規定や過去の全結果については公式サイト等をご参照ください。）
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