民族音楽

民族音楽とは

民族音楽とは、特定の民族や文化の背景の中で育まれ、伝承されてきた音楽を指します。この語は、英語の"ethnic music"から来ており、広範な意味を持つため注意が必要です。日本でも1970年代以降に用語が普及し、様々な背景を持つ音楽が含まれるようになりました。

民族音楽の定義

民族音楽には、以下のような定義があります。

1. 西洋の古典音楽や大衆音楽以外の伝統的な音楽：元々、この用語は"異民族の音楽"というニュアンスがあり、欧米において自民族の音楽を指す表現としては使われませんでした。

2. 日本以外の非欧米の伝統的な音楽：日本においては、自国を除外して他国の伝統音楽を指す表現が広がりました。

3. 特定の民族や地域で行われている音楽全て：最近では、より包括的にすべての音楽を指すようになり、民謡やクラシック音楽、ポピュラー音楽まで含まれることが一般的です。

4. 具体的に目立たない音楽を示す：特定の民族の音楽を語る際に、印象に残りにくい側面を強調する目的で使用されます。

5. 自民族の伝統音楽及びそれに基づいて創作された音楽：特定地域において民族音楽という用語は、各国の伝統を反映した音楽を指します。

6. エキゾチックな印象を与える音楽：このような用法も見られ、異なる文化の音楽を楽しむ際に使われることがあります。

類義語との違い

民族音楽には、関連する用語がいくつか存在します。

• - 民俗音楽：その民族の伝統的な音楽のうち、上層階級の音楽を除外したもの。実際には楽器伴奏や踊りも含むため、民族音楽とは異なることが多いです。
• - 伝統音楽：一般的には伝統的な音楽を指す用語ですが、定義が明確ではなく、その国の文化に依存します。
• - 世界音楽：すべての音楽を指す場合と特に非西欧のポピュラー音楽を示す場合があります。

世界各地域の音楽概要

民族音楽は、世界中に存在し、多様なスタイルに分かれています。以下はその一部です。

東アジア

古代中国音楽が発展し、京劇や民謡、日本の雅楽や能楽、韓国のパンソリなどが生まれました。共通する楽器や音階も多く、音楽文化の交流が見られます。

南アジア

多様な旋律楽器とリズムが特徴的な北部と南部の音楽に分かれ、特にラーガやターラという独特な旋律法とリズムパターンに基づいた音楽が存在します。

アフリカ

サブサハラ地域の音楽は宗教儀礼と深く結びつき、複雑なリズム構造を持ち、豊かな多様性を生み出しています。アフリカ独自の楽器も多く、打楽器系統が中心です。

欧州

教会音楽の影響を受けた民族音楽が多く、特に地域ごとの祭りや結婚式における伝統的な楽器使用が重要です。ヨーロッパの民俗音楽は、地域ごとの特色が大きいため、民族ごとの伝承が色濃く残っています。

アメリカ大陸

南北アメリカの民族音楽は、多様な文化の混成が見られ、伝統的なリズムを持つ音楽が広がっています。メキシコのマリアッチ、ブラジルのサンバなど、さまざまなスタイルに分かれます。

最後に

民族音楽は文化の重要な一部であり、移り変わる時代の中でも、地域や民族を問わず、人々の思いや感情を伝える手段として存在し続けます。各地域の文化を知ることによって、更に多くの共通点や違いを見つけることができるでしょう。

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