大阪大学ベンチャーキャピタル

大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社（OUVC）は、大阪大学が設立したベンチャーキャピタルです。大阪府吹田市に拠点を置き、大学の研究成果を基にした新技術や事業の創出を支援しています。

設立の背景と概要

2014年に施行された産業競争力強化法により、国立大学がベンチャーキャピタルを設立することが可能になりました。OUVCは、この制度を活用した初の国立大学ベンチャーキャピタルとして、2014年9月1日に特定研究成果活用支援事業計画の認定を受け、同年12月に設立されました。

OUVCは、設立当初から積極的に投資活動を展開しており、2015年には1号ファンド、2021年には2号ファンドを設立しています。投資先は医療系企業が約6割を占めており、ライフサイエンス分野のイノベーションを促進する役割を担っています。2018年2月には、投資先のジェイテックコーポレーションが国立大学ベンチャーキャピタルの投資先として初の上場を果たし、その実績が注目を集めました。

沿革

2014年12月22日 - 大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社設立
2015年7月31日 - OUVC1号投資事業有限責任組合を設立
2021年1月1日 - OUVC2号投資事業有限責任組合を設立

ファンド概要と投資実績

OUVCは、以下の2つのファンドを運営しています。

OUVC1号投資事業有限責任組合（OUVC1号ファンド）
設立日: 2015年7月31日
契約期間: 10年（最長5年の延長可能）
ファンド規模: 125億1,000万円
有限責任組合員: 国立大学法人大阪大学、金融機関等8社

OUVC2号投資事業有限責任組合（OUVC2号ファンド）
設立日: 2021年1月1日
契約期間: 12年（最長3年の延長可能）
ファンド規模: 106億5,000万円
有限責任組合員: 国立大学法人大阪大学、金融機関・事業会社等14社

これらのファンドを通じて、OUVCは有望なベンチャー企業への投資を行い、その成長を支援しています。

主な投資実績

OUVCは、これまでに以下のような企業に投資を行い、その成長を後押ししてきました。

マイクロ波化学: 2015年9月投資、2022年6月上場
ジェイテックコーポレーション: 2015年12月投資、2018年2月上場
ファンペップ: 2016年3月投資、2020年12月上場
* クリングルファーマ: 2020年4月投資、2020年12月上場

これらの上場企業に加え、その他にも多くの企業に投資を行っており、大学発ベンチャーの育成に大きく貢献しています。OUVCは、今後も大阪大学の知恵と技術を社会実装につなげ、イノベーション創出を促進する役割を担っていくことが期待されます。

まとめ

大阪大学ベンチャーキャピタルは、国立大学発のベンチャーキャピタルとして、大学の研究成果を社会実装するための重要な役割を担っています。医療分野を中心に、革新的な技術を持つ企業への投資を通じて、日本の産業競争力強化に貢献しています。

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