大阪大学接合科学研究所

大阪大学接合科学研究所（JWRI）

大阪大学接合科学研究所（英語: Joining and Welding Research Institute Osaka University、略称: JWRI）は、日本における接合技術の研究をリードする研究機関です。この研究所は大阪大学の附置研究所として1969年に設立され、その後、接合技術及び溶接工学に関する広範な研究が行われています。

設立と沿革

1969年、大阪大学工学部に溶接工学研究施設としてスタートしました。1972年には独立した研究機関になり、全国共同利用として「溶接工学研究所」としての役割が確立されました。その後、1996年に接合科学研究所へと改称し、組織を改編しました。その後の発展により、現在では接合に関する多様な学問領域を網羅し、国内唯一の接合に関する専門研究所としての地位を持っています。

研究と教育

JWRIでは、溶接工学にとどまらず、材料の接合に関連する様々な技術開発、材料研究、接合欠陥の現象解明とその防止法に関する研究が行われています。これに加えて、2008年には国際溶接技術者（IWE）コースを設け、国際的な教育訓練機関としても認定されています。このプログラムは、日本国内で唯一の正規コースであり、多くの専門技術者を育成しています。

研究部門

研究所は主に研究部門に分かれています。接合プロセス研究部門、接合機構研究部門、接合評価研究部門などがあり、それぞれが多様な専門分野に分かれて研究を進めています。例えば、接合プロセス研究部門ではエネルギー制御学や微細接合技術など、高度な技術の開発が行われています。また、附属の多次元造形研究センターでは先端的な造形技術の研究に注力しています。

国際的な連携

2016年からは6つの大学と共同の研究プロジェクトを立ち上げ、国際的な高度人材育成を目指す取り組みも行われています。これにより、接合科学の領域において国際的な共同研究の場が確保されています。さらに、共同利用研究所として、2009年からは他の研究機関との共同研究を促進する拠点としても機能しています。

拠点とアクセス

接合科学研究所は、大阪府茨木市の大阪大学吹田キャンパス内に位置しています。公共交通機関でのアクセスも良好で、阪急バス・近鉄バスの「阪大本部前」停留所や、阪急千里線の「北千里駅」などが近くにあります。

荒田記念館

研究所内には荒田記念館があり、この施設は荒田吉明氏の功績を称えるために1988年に建設されました。多目的ホールや展示室を備え、学際的な会議やシンポジウムなどが開催されています。

まとめ

大阪大学接合科学研究所は、接合に関する専門的な知識を有し、国内外の研究者と連携しながら幅広い研究を推進しています。接合技術の進歩は製造業をはじめとする多くの分野に影響を与えており、同研究所はその最前線で活動している重要な拠点です。

もう一度検索