大阪市南港中央野球場

GOSANDO南港野球場（旧称：大阪市南港中央野球場）

大阪市南港中央公園内に位置するこの野球場は、大阪市住之江区にあり、市が所有する公共施設です。2014年4月1日以降、南港中央SAグループ（代表：大阪スポーツみどり財団）が指定管理者として運営を担っています。特筆すべき点として、2025年3月1日からは大阪市内の印刷会社、株式会社渡辺護三堂との命名権契約により、「GOSANDO南港野球場」という愛称が使われています。

建設経緯と位置づけ

本球場は1995年に完成しました。建設の計画が進められていた1980年代半ばには、当時大阪スタヂアムを本拠としていた南海ホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）の移転先候補として、3万人規模の観客席を備える壮大な構想が存在しました。しかし、1988年に球団が売却され、本拠地が福岡へ移転したため、この計画は実現に至りませんでした。

その一方で、1990年代後半にかけて、大阪市中心部にあった大阪スタヂアムや日本生命球場といった主要な野球場が、再開発や施設の老朽化に伴い相次いで閉鎖・解体されました。これにより、大阪市内に残る屋外型の本格的な野球場は、住之江公園野球場などわずかとなっていました。こうした状況を受け、南港中央野球場は、後に建設された舞洲ベースボールスタジアムと共に、主にアマチュア野球の公式戦を開催する拠点としての役割を担うことになりました。プロ野球の一軍および二軍の公式戦が開催された実績はありません。

主な利用実績

当球場は、様々なカテゴリーのアマチュア野球の試合会場として活用されています。

高校野球：毎年夏に開催される全国高等学校野球選手権大阪大会では、主要な会場の一つとして使用されています。また、2015年に日本で開催された「2015 WBSC U-18ワールドカップ」期間中には、舞洲ベースボールスタジアムや豊中ローズ球場と共に、グループリーグの試合会場となりました。さらに、グループラウンドを勝ち上がったチームによる「スーパーラウンド」の一試合（キューバ対オーストラリア戦）も、2015年9月3日にここで行われました。
大学野球：関西学生野球連盟、関西六大学野球連盟、近畿学生野球連盟、阪神大学野球連盟といった関西地方の大学野球リーグの公式戦が、年間を通じて開催されています。
* 独立リーグ：関西独立リーグに参加する堺シュライクスが、2019年よりホームゲームを開催しています。2019年には主催試合の多く（22試合中15試合）が当球場で行われました。2020年からは堺市内の新球場を本拠としていますが、南港中央野球場での公式戦開催も継続されています。

施設概要

グラウンドは全面にロングパイル人工芝が採用されています。グラウンド面積は13,800平方メートル。両翼までの距離は98メートル、中堅は122メートルと、国際規格にも対応しうる広さを持っています。照明設備は6基設置されており、投捕間では最大2000ルクスの照度を確保できます。

収容人員は合計10,000人です。内訳は、ネット裏に1,984席（背もたれ付きのセパレート席）、一・三塁側に2,314席（ベンチ席）、外野に6,000人分の芝生席が設けられています。

スコアボードは電光掲示板式です。特に、打順や審判名を表示する部分はフルカラー表示が可能となっています。このスコアボードは日本宝くじ協会の助成を受けて設置されたため、バックスクリーン右側には「宝くじからの贈り物」という表記が見られます。

施設は2019年11月から2020年3月にかけて改修工事が行われ、それまでの透水性砂入り人工芝から、現在のロングパイル人工芝に張り替えられました。

交通アクセス

最寄り駅はOsaka Metro南港ポートタウン線のポートタウン東駅で、駅から球場までは徒歩約5分です。また、南海バスの堺南港線を利用する場合、ポートタウン東停留所で下車するとアクセスできます。

アマチュア野球の振興に貢献する、大阪市内における重要な野球場の一つです。

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