大阪市営トロリーバス

大阪市営トロリーバスの概要

大阪市営トロリーバスは、大阪市交通局が管理していた無軌条電車の一種で、1950年代から1970年代初頭まで運行されていました。終戦後の資源不足と都市交通の発展を背景に新たな公共交通の形態として設立され、当時のニーズに応える形で路線が展開されました。

開業の背景

1950年代初頭、特に日本は戦後の復興が進められていたものの、ガソリン不足や自動車の普及によりバスの運行が厳しくなっていました。その対策として、相対的に建設コストが低いトロリーバスが導入されることになりました。1933年にも類似の検討が行われましたが、実際の導入は1953年まで続くこととなりました。

路線の発展

最初の路線は1953年9月1日に開業し、そこから順次路線が増設されていきました。1957年から1962年までの間に多くの路線が開業し、全体の路線距離は1984年の調査時点で38.3キロメートルに達しました。各路線はそれぞれ特定の系統番号が割り当てられ、運行されていました。しかし、モータリゼーションの影響が顕著になる中、トロリーバスの運行は徐々に不利な状況に置かれていきました。

衰退と全廃

1960年代に入ると、自動車の普及が進む中で交通渋滞が深刻化し、トロリーバスや市電はその一因とされるようになりました。その結果、1965年に一部の路線が廃止され、1970年には全てのトロリーバス路線が運行を終了。これにより、大阪市営トロリーバスは歴史の中に姿を消しました。

路線データと主要な停留所

当時の路線は以下のようになっていました。

• - 1号線：大阪駅前 - 神崎橋間（5.7km）
• - 2号線：守口車庫前 - 森小路町一丁目 - 大阪駅前間（8.0km）
• - 3号線：森小路町一丁目 - 今里（5.2km）及び大池橋 - 杭全町間（1.6km）
• - 4号線：新深江 - 阿倍野橋間（7.3km）
• - 8号線：勝山通三丁目 - 玉造間（2.7km）
• - 9号線：今里 - 玉船橋間（7.8km）

特に大阪駅前からのアクセスが便利で、混雑する都市部的な需要に応じた運行がなされていました。また、旧市電の代替として新設された路線もありました。

車両について

トロリーバスの車両は1960年代初頭に多くが製造され、主に100、200、300形の3種類が存在しました。これらの車両は管理局ごとに配置され、路線ごとに役割を果たしていました。特に、1953年製の100形や、1956年から1961年製の200形、1956年から1963年製の300形は当時の主力でした。

結論

大阪市営トロリーバスは、確かな役割を果たしつつも時代の流れには逆らえずに全廃される結果となりました。その遺構は今でも大阪市内の交通歴史の一部として語り継がれています。

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