大阪市立扇町小学校

大阪市立扇町小学校

大阪市立扇町小学校（おおさかしりつ おうぎまちしょうがっこう）は、大阪府大阪市北区扇町に所在する公立小学校です。かつて都心部で進んでいた児童数の減少に対応するため、複数の歴史ある小学校が統合を重ねて誕生しました。現在の校舎は、かつて旧北野病院があった場所に建てられています。

概要

本校は2004年、児童数の減少が顕著であった大阪市立北天満小学校と大阪市立済美小学校の二校が統合して新たに開校しました。さらに2007年には、同じく児童数が減少傾向にあった大阪市立大阪北小学校を統合しています。これにより、現在の校区は梅田、扇町、中崎町など、大阪市内でも比較的広範囲にわたる地域を含んでいます。また、大阪市内に2校のみ設置されている、校区外からの指定外通学も可能な難聴学級が置かれていることも、本校の重要な特色の一つです。

近年、都心部への居住者が増加し、児童数が増加に転じています。これに伴い、教室不足が懸念されるようになったことから、2018年には大阪市が中之島西部に新たな小中一貫校を設置し、扇町小学校の一部校区（中之島、堂島、堂島浜、曾根崎新地）の児童を受け入れる構想を発表しました。この構想に基づき、2024年4月1日には大阪市立中之島小学校・中学校が開校し、該当区域は扇町小学校の校区から変更されました。

沿革

大阪市立扇町小学校の歴史は、その前身校の源流をたどると明治時代初期にまで遡ります。現在の校区にあたる地域では、1875年（明治8年）に川崎村と北野村が合同で北野村に野崎小学校（後の大阪市立梅田東小学校、さらに後の大阪市立大阪北小学校へ統合）を設置したことに始まります。

地域の市街化が進み児童が増加したため、1901年（明治34年）には野崎小学校（梅田東）から分離する形で、旧川崎村を校区とする川崎小学校が設置されました。この川崎小学校は、済美第二尋常小学校、天満国民学校と名称を変え、1946年（昭和21年）の戦災により大阪市立菅北小学校に統合され廃校となりました。旧川崎小学校の校区は後に大阪市立堀川小学校の校区に編入されています。

扇町小学校の直接的な前身校は、1910年（明治43年）5月6日に川崎小学校から分離して開校した大阪市第二川崎尋常小学校（後の大阪市立北天満小学校）と、1916年（大正5年）6月1日にその第二川崎小学校から分離して創立した大阪市第三北野尋常小学校（後の大阪市立済美小学校）です。

1920年（大正9年）、旧川崎村・旧北野村地域にあった小学校は、教育勅語に由来する「済美」を冠する名称に一斉に変更されました。これにより、第二川崎尋常小学校は済美第四尋常小学校、第三北野小学校は済美第五尋常小学校と改称されました。さらに1922年（大正11年）には、済美第四小学校（北天満）から済美第六尋常小学校（現在の大阪市立菅北小学校）が分離しています。

この済美地区の6小学校では、1922年（大正11年）に日本で初めて常勤の学校衛生婦（現在の養護教諭にあたる職務を行う者）が配置されたことが特筆されます。これは、今日の養護教諭制度の源流とされる先進的な取り組みでした。この済美地区の6小学校のうち4校が、戦災やその後の児童減少に伴う複数回の統合を経て、現在の扇町小学校へと繋がっています。

1941年（昭和16年）の国民学校令施行により、済美第四尋常小学校は大阪市北天満国民学校、済美第五尋常小学校は大阪市済美国民学校へと改称されました。1945年（昭和20年）の大阪大空襲では、済美国民学校の校舎も被害を受けています。

戦後の1947年（昭和22年）の学制改革により、それぞれ大阪市立北天満小学校、大阪市立済美小学校となりました。しかし、都心部の人口流出（ドーナツ化現象）により児童数が再び減少したため、2004年（平成16年）3月31日に北天満小学校と済美小学校は閉校し、翌4月1日に両校を統合する形で大阪市立扇町小学校が新設開校しました。2007年（平成19年）4月には、大阪市立大阪北小学校を統合し、同校にあった難聴学級も引き継いで現在に至ります。

通学区域・進学先

主な通学区域は、大阪市北区内の梅田、芝田、茶屋町、角田町、小松原町、堂山町、神山町、太融寺町、兎我野町、大深町、曾根崎、野崎町、鶴野町、南扇町、中崎、中崎西、万歳町、浪花町、浮田、扇町、黒崎町、山崎町といった広範な地域です。卒業生の多くは、大阪市立天満中学校に進学します。

アクセス

Osaka Metro谷町線 中崎町駅より南へ約250m
Osaka Metro堺筋線 扇町駅より西へ約300m
大阪環状線 天満駅より西へ約450m

著名な出身者

橘八重龍誠（野球選手）

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