北野病院

北野病院について

北野病院は、大阪府大阪市北区扇町に位置する総合病院です。公益財団法人田附興風会が運営しており、医学研究所としての役割も担い、臨床研究に力を入れています。急性期医療を提供する総合病院としての機能も有しています。

設立の背景

北野病院の設立は、実業家である田附政次郎氏が京都帝国大学（現在の京都大学）医学部で病を癒されたことへの感謝の念から、同大学の学術研究に貢献するため寄付を行ったことに始まります。

沿革

• - 1925年（大正14年）：財団法人田附興風会が設立。
• - 1928年（昭和3年）：京都大学医学部附属の臨床医学研究施設として北野病院が開設（病床数120床）。
• - 2001年（平成13年）：旧扇町中学校跡地へ新築移転。旧病院の跡地は大阪市との土地交換により、大阪市立扇町小学校となりました。
• - 2009年（平成21年）：大阪府がん診療連携拠点病院に指定。
• - 2009年（平成21年）：地域医療支援病院として承認。
• - 2010年（平成22年）：地域周産期母子医療センターに指定。
• - 2018年（平成30年）：大阪府難病診療連携拠点病院に指定。
• - 2019年（令和元年）：歯科口腔外科、がん診療センター、緩和ケア科を相次いで開設。
• - 2019年（令和元年）：小児がん連携病院に指定。
• - 2020年（令和3年）：放射線科が放射線診断科と放射線治療センターに分割。

施設概要

• - 建物構造：SRC造、S造、RC造
• - 建物規模：

- 本館：地上15階、地下3階、塔屋1階
- 西館：地上6階
- 新館：地上8階、地下2階

• - 職員数：約1,500名

診療科

複数の診療科を有しており、幅広い疾患に対応しています。

医療機関としての指定

北野病院は、以下の医療機関としての指定を受けています。

• - 一般病院
• - DPC対象病院
• - 地域医療支援病院
• - 大阪府がん診療拠点病院
• - 小児がん連携病院
• - 大阪府難病診療連携拠点病院
• - 地域周産期母子医療センター

看護体制

• - 一般病棟：7対1入院基本料
• - 看護体制：継続受持制

施設認定

働きやすい病院評価認定病院や日本がん治療認定研修施設など、多くの施設認定を受けています。

診療指定

保健医療機関、特定承認保健医療機関、労災保険指定医療機関など、様々な診療指定を受けています。

救急指定

救急告示病院であり、二次救急医療体制や大阪府医師会指定の第三次救急医療機関としても機能しています。

研修・実習指定

臨床研修指定病院として、多くの医療専門職の研修・実習施設に指定されています。

学会認定

日本内科学会、日本外科学会、日本循環器学会など、数多くの学会から認定を受けています。

交通アクセス

• - JR大阪環状線「天満駅」より徒歩約8分。
• - 地下鉄堺筋線「扇町駅」より徒歩約5分。
• - 地下鉄谷町線「中崎町駅」より徒歩約5分。

その他

• - 北野病院の元院長である高月清氏は、血液学における長年の功績により瑞宝重光章を受章しました。特に成人T細胞白血病（ATL）の発見者として知られ、その病像解明や診断法確立に貢献しました。
• - 2009年には、田附興風会が大阪市に対して固定資産税の賦課決定取り消しを求めた訴訟で勝訴。病院施設に対する固定資産税の非課税が認められるという画期的な判決となりました。
• - 2012年には、筋弛緩剤の紛失問題が発生しましたが、その後、関係者は不起訴処分となりました。
• - 2013年には、京都大学名誉教授であり、田附興風会評議員である本庶佑氏が文化勲章を受章。また、2018年にはノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
• - 2019年には、耳鼻咽喉科の医師が中心となり開発した鼓膜再生療法が保険適用となりました。

参考文献

• - 財団法人田附興風会医学研究所　北野病院「再開十五周年記念 北野病院史」（非売品）　1966年3月30日発行
• - 財団法人田附興風会医学研究所　北野病院「創立五十二周年/再開三十周年 記念史」（非売品）　1980年11月16日発行

関連項目

• - 京都大学医学部附属病院
• - 扇町公園
• - 田附政次郎（創立者）
• - 国谷裕子（創立者の曾孫）
• - 本庶佑（元理事長）
• - 安藤忠雄（理事）

外部リンク

• - 北野病院 公式サイト
• - 公益財団法人田附興風会 公式サイト
• - 京都大学医学部附属病院 公式サイト

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