大阪市立神津小学校

大阪市立神津小学校：歴史と変遷

大阪市立神津小学校は、大阪府大阪市淀川区に位置する公立小学校です。その歴史は明治時代初期にまで遡り、現在の淀川区周辺に点在していた複数の小学校が合併し、発展してきた過程をたどることができます。本稿では、神津小学校の創立から現在までの歴史、特に前身校である三津屋小学校、小島小学校、野中小学校、そして太平洋戦争期の出来事や戦後の統合について、詳細に解説します。

明治時代：複数の小学校の統合

1873年、学制発布に伴い、西成郡三津屋村（現在の淀川区三津屋付近）に第六大区第五小区第一番小学校（三津屋小学校）が設立されました。その後、1876年には西成郡小島村（現在の淀川区十三東付近）に小島小学校、1877年には西成郡野中村（現在の淀川区野中付近）に野中小学校が設立されました。これらの小学校は1885年5月2日に合併し、西成郡三津屋村の大恩寺に三津屋小学校として統合されました。この合併が現在の神津小学校の起源とされています。

1889年の町村制施行により、周辺の複数の村が合併して西成郡神津村が成立しました。この村名は、神崎川と中津川に挟まれた地域が合併したことに由来し、神崎川の「神」と中津村の「津」を組み合わせたものです。1899年9月、三津屋小学校は現在の校地である神津村大字今里に移転しました。

その後、明治時代後期から大正時代にかけて、大阪市街地の拡大や産業の発展、十三駅の開業などを背景に、地域は急速に宅地化が進み、児童数も増加しました。そのため、1922年7月1日に小島分教場、1924年9月22日に三津屋分教場が設置されました。1925年4月1日、神津村が大阪市に編入されると、大阪市神津尋常高等小学校に改称されました。同年の12月1日には、小島分教場と三津屋分教場がそれぞれ独立して大阪市立十三小学校、大阪市立三津屋小学校となりました。

昭和時代：戦災と統合

1934年の室戸台風では校舎が半壊するなどの被害を受けました。太平洋戦争中は、学童疎開や勤労動員が行われ、1945年の大阪大空襲では校内に焼夷弾が落下しましたが、延焼は防がれました。終戦直後には、空襲で被災した他の施設が校舎の一部を借用する状況となりました。

また、この頃には大阪市成小路国民学校が神津国民学校に統合されました。成小路国民学校は1925年に開校し、当初は新淀川の開削によって交通の不便が生じた成小路地域の児童のために設置された学校でした。大阪大空襲で校舎を全焼したのち、1946年に神津国民学校と統合されました。神津小学校の歴史には、戦災と統合という困難な時期を乗り越えてきた過程が刻まれています。

1947年の学制改革により、学校は大阪市立神津小学校と改称され、現在に至っています。1963年には火災により木造校舎が焼失するなど、幾多の困難を乗り越えながら、神津小学校は地域社会に貢献してきました。

神津小学校の現在

現在、神津小学校は、新北野地区を中心とした地域に貢献し、多くの児童が卒業していく活気ある学校です。その歴史は、複数の小学校の合併と統合、そして戦災を乗り越えてきた過程を物語っています。この歴史を理解することは、未来に向けて学校が発展していく上で重要な要素となるでしょう。 神津小学校の卒業生は、大阪市立新北野中学校に進学します。阪急電鉄十三駅から徒歩で約700mの場所に位置し、アクセスも良好です。

参考文献

大阪市立神津小学校『神津 創立120周年記念誌』2005年
大阪市立神津小学校『神津 創立100周年記念誌』1985年
川端直正『東淀川区史』東淀川区創設三十周年記念事業委員会、1956年
赤塚康雄『消えたわが母校 なにわの学校物語』つげ書房、1995年
* 西成郡中津町『中津町史』1925年

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