大阪府立思斉支援学校

大阪府立思斉支援学校は、大阪市旭区に位置する特別支援学校です。この学校は、知的障害のある児童・生徒を対象とした日本初の養護学校として、1940年にその歴史をスタートさせました。

学校の歴史

思斉支援学校は、当初大阪市立思斉学校として開校しました。当時の日本には、障害のある児童・生徒を対象とした学校の制度が整っておらず、小学校に準じた扱いを受けていました。しかし、時代が進むにつれて、特別支援教育の必要性が認識され、学校の形も変化を遂げていきます。

1941年には国民学校令が施行され、学校は大阪市立思斉国民学校へと改称。その後、現在の場所である旭区に移転しました。戦時中は、児童疎開のため、一時的に泉北郡南池田村に設けられた光明寮で教育活動が行われました。

戦後の学制改革によって、大阪市立思斉小学校となり、その後中学校も併設されました。1957年には、小学校と中学校が統合され、大阪市立思斉養護学校として新たにスタートしました。当初は小学部と中学部のみでしたが、1964年には高等部も設置されました。この養護学校は、障害を持つ子どもたちに、より専門的な教育を提供する場として重要な役割を果たしました。

2007年の学校教育法改正により、特別支援教育制度が導入され、2009年には大阪市立思斉特別支援学校へと改称。2016年には大阪市立の特別支援学校が大阪府に移管されることになり、現在の大阪府立思斉支援学校という名称になりました。この移管は、大阪府全体で障害のある子どもたちへの教育を充実させるための大きな一歩となりました。

教育理念

校名である「思斉」は、論語の「里仁篇」から選ばれました。これは、特殊教育を行う学校にふさわしい名称として選ばれたもので、教育に対する深い思いが込められています。

現在の学校

現在、思斉支援学校は小学部、中学部、高等部を設置し、知的障害のある児童・生徒に対して、それぞれの発達段階に応じた専門的な教育を提供しています。学校は、大阪市内の指定された地域に住む児童・生徒を受け入れており、地域社会との連携も重視しています。

通学区域とアクセス

学校の通学区域は、都島区、旭区、城東区（寝屋川以北）、鶴見区（寝屋川以北）となっています。交通アクセスも便利で、大阪シティバスのバス停や、Osaka Metroの駅からも比較的近い場所に位置しています。

参考文献と関連情報

学校の歴史については、大阪市史編纂所による『新修大阪市史 本文編 第七巻』に詳しい記述があります。また、学校に関する情報は、大阪府立思斉支援学校の公式サイトでも確認することができます。

まとめ

大阪府立思斉支援学校は、日本で初めて知的障害のある児童・生徒を対象とした養護学校として創立され、その歴史は特別支援教育の発展とともに歩んできました。時代とともに学校の形は変化しましたが、常に障害のある子どもたち一人ひとりの成長を支えるという理念は変わっていません。これからも地域社会とともに、子どもたちの未来を育んでいくでしょう。

もう一度検索