大阪府立泉尾高等学校

大阪府立泉尾高等学校：歴史と伝統、そして未来への継承

大阪府立泉尾高等学校は、大正区に存在した公立高等学校として、1921年の創立以来、地域社会に貢献する人材育成に尽力してきました。2020年に閉校したものの、その歴史と伝統は、多くの卒業生や関係者の記憶に深く刻まれています。

揺るぎない校風と特色

高等女学校時代から受け継がれる「純真清楚」という校訓は、生徒たちの品格と高潔さを育む礎となりました。学制改革時に旧制今宮中学校から引き継いだ「質実剛健」という校是は、生徒のたくましさや知性を象徴しています。白百合とオリオン座の三ツ星を組み合わせた校章は、まさにこれらの精神を視覚的に表現したものです。

全日制普通科ながら、コース制の導入や多様な選択科目の設置など、生徒一人ひとりの個性と進路希望に合わせた教育環境が整備されていました。少人数指導によるきめ細やかな指導や、大阪府教育委員会によるアクティブ・ハイスクールの指定を受けるなど、常に教育改革の先端を歩んできました。夏には、隣接するセミナーハウスでの勉強合宿を実施するなど、学習意欲を高める工夫も凝らされていました。

活気あふれる学校行事

6月の体育祭と11月の文化祭を合わせた「泉高祭」は、生徒たちの情熱と創造性を爆発させる一大イベントでした。体育祭では、学年を超えた縦割りチーム編成による激しい応援合戦が特徴的で、学校全体が一体となって盛り上がりました。文化祭は、多くの模擬店やクラスごとの個性あふれるPR、そして生徒による舞台演劇、ダンス、音楽演奏などが多彩に展開され、教職員による「先生バンド」の演奏がフィナーレを飾るなど、記憶に残る一日となりました。

また、生徒会執行部による24時間テレビチャリティーキャンペーンや、地域清掃活動「泉高クリーンウォーク」など、地域社会への貢献活動にも積極的に取り組んでいました。これらの活動を通して、生徒たちは社会性や責任感を育み、地域に貢献する意識を高めていました。

歴史を刻んだ歩み

1921年の創立以来、大阪府立第七高等女学校として発足し、その後、大阪府立泉尾高等女学校を経て、学制改革により大阪府立泉尾高等学校となりました。戦時中には、生徒の勤労動員や校舎の被災など、困難な時期もありましたが、その都度、関係者の努力によって乗り越え、発展を遂げてきました。1940年には大阪府泉尾臨時教員養成所を併設し、教員養成にも貢献しました。また、1941年には同窓会が母体となり、白百合学園を設立し、郊外学舎での教育活動も展開していました。1978年には校舎の全面改築を行い、近代的な教育環境を整えました。

2016年には、大阪府教育委員会の決定により、大阪府立大正高等学校と統合され、2018年には生徒募集を停止しました。2020年3月31日、72回の卒業生を送り出した後、閉校しました。閉校後には、泉尾高等学校の校地に大阪府立大正白稜高等学校が開校し、その歴史と伝統は新たな形で受け継がれています。

多彩な人材を輩出

泉尾高等学校は、長年にわたる教育活動を通して、芸術・芸能界、学術界、スポーツ界など、様々な分野で活躍する多くの卒業生を輩出しました。歌手、ミュージシャン、俳優、小説家、哲学者、元プロ野球選手、女流棋士など、各界で活躍する卒業生たちは、泉尾高校で培われた基礎学力や人間性を土台に、それぞれの分野で成功を収めています。

交通アクセス

大阪環状線・Osaka Metro長堀鶴見緑地線の大正駅から南西へ約1.2キロメートル、または大阪シティバス「永楽橋筋」停留所から約300メートルの場所に位置していました。

大阪府立泉尾高等学校は、閉校したものの、その歴史と伝統、そして多くの卒業生によって築き上げられた輝かしい功績は、永遠に語り継がれていくことでしょう。

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