大阪書籍

大阪書籍株式会社の概要

大阪書籍株式会社は、かつて大阪府大阪市で活動していた出版社であり、特に小学校や中学校向けの教科書や教材を取り扱っていました。略称は「大書」として知られ、発行者番号は3です。出版事業に加え、商業印刷も行う印刷工場を持っていましたが、2008年にこの商業印刷事業は大阪書籍印刷として分社化されました。

2008年度には全国で約285万部の教科書が採択され、多くの学校教育に貢献しました。

創業と歴史

大阪書籍は、1909年の創業から始まりました。文部省から国定教科書の翻刻を発行する許可を受けたことで、初期から教育に強い関与を持っていました。同年の12月には、大阪市南区難波芦原町に工場を建設し、ここから本格的な出版活動がスタートしました。

1923年に関東大震災が発生した際、東京都心の教科書供給が困難になったため、委託印刷によって支援を行いました。その後、1926年には工場を拡張するために新しい場所に移転しました。

1955年からは、教科書の発行に加え一般の商業印刷も開始し、業務の幅を広げました。また、1977年には大阪市の都市計画に従って本社や工場の移転を行い、組織をより発展させていきました。

財務問題と再生

大阪書籍は、商業銀行である幸福銀行との関係がありましたが、同行が1999年に経営破綻したため、資金調達に苦しむこととなりました。さらに2008年には、大西一義社長による副業の不動産事業が原因で、多額の資金流出が発生し、大阪地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。この時の負債総額は66億円にのぼったと言われています。

再生計画の一環として、大西社長は解任され、背任行為があったとして刑事告訴も検討されました。その後、新会社に教科書事業を譲渡する交渉が進められましたが、支払いに関するトラブルが生じ、従業員への給与未払いも発生したため、再生計画は破綻しました。

事業譲渡とその後

2008年12月15日、日本文教出版に教科書の版権を譲渡することが決まり、2009年1月には正式にその発表が行われました。教科書や指導書、学参書以外の一般図書については、吹田市に所在する合同会社メディアイランドが事業を継承しました。

2009年2月、分離した大阪書籍印刷は新たに大阪市西淀川区に移転し、独立した企業としての運営を開始しました。

結び

大阪書籍株式会社は、教育に寄与する出版活動を通じて地域に貢献し続けてきた企業であり、その歴史は多くの変遷を経ています。今日でもその影響は、教科書や教材を通じて次世代に伝えられています。

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