大阪英語学校 (旧制)

大阪英語学校

大阪英語学校は、明治初期に大阪府に設立された官立の外国語学校です。その源流は、明治新政府が設置した大阪府立の洋学校に遡ります。

概要

1873年（明治6年）2月に「開明学校」として設立され、1874年12月に大阪英語学校と改称されました。中等教育相当の機関であり、第三高等学校の前身として知られています。

沿革

源流と前身

大阪英語学校の源流は、1869年（明治2年）9月に明治新政府が設置した大阪府立の「洋学校」（大阪洋学校）です。この学校では、主に英語科が教授されましたが、後に仏語科も設置されました。1870年（明治3年）4月、大阪洋学校は理学校（大阪舎密局の後身）とともに大学南校に移管され、同年10月には両校が統合されて「大阪開成所」が設立されました。大阪開成所は、語学に加えて理化学の教育も行うことになり、東京の大学南校と並ぶ西の洋学教育の拠点となりました。しかし、1872年（明治5年）8月には学制発布により「第四大学区第一番中学」に改編され、舎密局以来の理化学教育は廃止されました。

官立外国語学校として

1873年（明治6年）2月、第四大学区第一番中学は同年4月の学制二編追加に先立って官立外国語学校の一つである「開明学校」に転換され、通訳養成および高等教育機関進学の課程を担うことになりました。1874年4月、開明学校は他の官立外国語学校に合わせて「大阪外国語学校」と改称し、英語科教育に重点が置かれていたことから同年12月には「大阪英語学校」と再改称しました。現在の大阪市中央区大手前の大阪府公館（2023年解体）付近に設置されていました。

専門学校への転換

西南戦争後の財政難により他の4英語学校が廃止を余儀なくされる中、大阪英語学校は東京英語学校および東京外国語学校（旧外語）とともに存続し、1879年4月、大阪専門学校（ここでいう「専門学校」は専門学校令による旧制専門学校とは異なります）に転換されました。大阪専門学校はその後、官立大阪中学校（1880年）⇒大学分校（1885年）と改編を重ね、1886年に第三高等中学校（1894年に第三高等学校と改称）となりました。

関係者

恒藤規隆 - 農学者、実業家、探検家
三崎亀之助 - 官僚、政治家、銀行家
関直彦 - ジャーナリスト、政治家

参考文献

金築修 「大阪開成所」 海後宗臣（監修） 『日本近代教育史事典』 平凡社、1971年
池田哲郎 「大阪英語学校」 日蘭学会（編） 『洋学史事典』 雄松堂出版、1984年
『京都大学百年史 総説編』第1巻 京都大学後援会、1998年

関連項目

東京外国語学校 (旧制)
長崎英語学校 (旧制)

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