大阪電気軌道デワボ151形電車

大阪電気軌道デワボ151形電車は、近畿日本[[鉄道]]（近鉄）の前身である大阪電気軌道（大軌）が1921年に製造した有蓋電動貨車です。製造当初から近鉄に引き継がれた後、その長い生涯の中で、数奇な運命をたどりました。

概要

1921年4月にデワボ154・155、翌1922年8月にはデワボ159・160の計4両が藤永田造船所で製造されました。同時期に製造された無蓋電動貨車デトボ151形との間で、番号が連続していない点が特徴です。

車体

全長11,654mm、最大幅2,463mmの木造車体を有し、中央に窓のない両開き扉、両端に乗務員室を備えています。乗務員室は3枚窓の非貫通構造で、妻面中央には前照灯が設置されています。側面に窓がない点が外観上の大きな特徴であり、妻面はわずかにカーブし、幕板はありません。アンチクライマーや車体下部のトラス棒も特徴的です。

主要機器

主[電動機]]は78kWのゼネラル・エレクトリック]社製GE-240A形を2基搭載し、制御器には間接非自動式のGE社製を採用しています。台車はボールドウィン社製BW-76-18K、ブレーキはGE社製非常弁付き[[直通ブレーキを装備していました。

改番の歴史

デボ61形増備に伴い、100番台の電動貨車との重複を避けるため、1923年12月10日付でデワボ800形に改番されました。

デワボ151形デワボ154・155・159・160 → デワボ800形デワボ801 - 804

1942年の称号改正では、記号がデワボからモワに変更されました。

1950年4月には再度改番が行われ、モワ900形となりました。

モワ800形モワ801 - 804 → モワ900形モワ901 - 904

その後、900系の登場を控え、1956年9月2日付で3度目の改番によりモワ100形となりました。

モワ900形モワ901 - 904 → モワ100形モワ101 - 104

1963年9月21日付で三重電気鉄道との合併に関連し、100番台の番号をナロー車両に譲る形で、モワ10形（初代）となりました。

モワ100形モワ101 - 104 → モワ10形モワ11 - 14

廃車

製造から45年が経過し、老朽化が進んでいたため、1500V昇圧工事の完了時点で全車廃車の方針が決定されました。1969年9月21日の昇圧時に休車となり、同年11月7日付で全車が廃車されました。廃車までブレーキは非常弁付き直通ブレーキのままでした。

参考文献
慶応義塾大学鉄道研究会編『私鉄ガイドブック・シリーズ 第4巻 近鉄』 誠文堂新光社、1970年。
藤井信夫『車両発達史シリーズ8 近畿日本[[鉄道]] 一般車 第1巻』、関西鉄道研究会、2008年
三好好三『近鉄電車 大軌デボ1形から「しまかぜ」「青の交響曲」まで100年余りの電車のすべて』（JTBキャンブックス）、JTBパブリッシング、2016年。ISBN 978-4-533-11435-9
『鉄道ピクトリアル』各号

関連項目

* 近畿日本[[鉄道]]の車両形式

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