大陸命

大陸命について

大陸命（たいりくめい）とは、日中戦争の勃発後において、大日本帝国陸軍に対して天皇が発した命令を指します。この命令は、天皇の意志を示す重要な指示であり、大元帥としての天皇の権威が色濃く反映されています。

命令の発信と伝達

大陸命は、大本営で作成された作戦命令であり、参謀総長がその内容を天皇に上奏し、裁可を受けるというプロセスを経て、各部隊に伝達されます。このプロセスでは天皇の統帥大権に基づく勅裁が必要とされ、正式な命令として奉じられます。天皇が発するこのような命令は、最高統帥者としての天皇の意志を体現しており、その重要性は計り知れません。

「奉勅命令」と呼ばれるこの命令は、参謀総長が用意し、最終的に天皇の裁可を得た後、大命として各部隊に指示されました。戦時中に発せられる大命は、発令順に「大陸命第○号」と番号を付けられるため、その取り扱いが容易になりました。これにより、大本営陸軍部の取り扱う命令は「大陸命」と呼ばれるようになりました。

発令の歴史

日中戦争のさなかの大陸命は、1937年11月22日に第1号が発令され、その後1939年まで続きました。戦後の1945年までに発令された号数は1392号に達し、その度に戦局において陸軍が従うべき作戦指示が定められました。また、海軍に対して発せられた類似の命令は「大海令（だいかいれい）」と呼ばれ、陸海軍の作戦指示における一貫性を示しています。

このように、大陸命は日中戦争における日本陸軍の行動規範を決定づけるものであり、その内容や発令のプロセスは天皇の軍事指導の象徴でもあります。

参考文献

大陸命にじ関連する知識を更に深めるために、以下の参考文献が有用です。

• - 原剛・安岡昭男 『日本陸海軍事典コンパクト版〈上〉』新人物往来社、2003年、ISBN 4-404-03110-6、149頁。

これらの情報は大陸命の歴史や軍事的意義を理解する上で重要な資料となります。

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