大雲寺 (関市下迫間)

大雲寺（だいうんじ）は、岐阜県関市下迫間に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。白華山（はっかさん）という山号を持ち、聖観世音菩薩を本尊としています。この寺院は、中濃八十八ヶ所霊場の85番札所としても知られており、地域の人々の信仰を集めています。

大雲寺は、関藩主であった大島氏と深い関わりを持っています。特に、この寺院は、関市伊勢町にも同名の大雲寺（妙興山大雲寺）があるため、区別するために「下迫間の大雲寺」と呼ばれることもあります。天正年間に、当時の関の領主であった大島光義が、寿岳宗彭（じゅがくそうほう）という僧を招いて建立したと伝えられています。その後、大島氏は四つの家に分かれましたが、そのうち迫間を領した大島光俊の一族が、この大雲寺を菩提寺としたため、寺には大島氏ゆかりの品々が数多く残されています。

境内には観音堂があり、かつて迫間山麓にあった大善寺で祀られていた聖観世音菩薩と阿弥陀如来が安置されています。これらの仏像は、長い歴史の中で地域の人々によって大切に守られてきました。

また、大雲寺では、毎年7月中旬に十六善神祭が開催されます。この祭りは、除雷に験があるとされる十六善神を祀るもので、多くの人々が訪れ、信仰を集めています。この祭りは、地域の人々にとって非常に重要な行事であり、夏の風物詩となっています。

大雲寺は、美しい自然に囲まれた静かな場所に位置しており、訪れる人々に安らぎを与えてくれます。歴史と信仰が息づくこの寺院は、地域の人々にとって心の拠り所となっています。関市を訪れた際には、ぜひ大雲寺に足を運び、その歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

脚注

参考文献：関市編 『新編関市史 通史編 近世・近代・現代』p.453 平成11年2月
関連サイト：公式サイト

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