大島光義

大嶋光義：弓の名手、初代関藩主の生涯

大嶋光義（おおしま みつよし）は、戦国時代から安土桃山時代、そして江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、美濃国関藩の初代藩主です。「大嶋 雲八（おおしま うんぱち）」の名でも知られ、弓の名手として名を馳せました。

生涯

光義は美濃国関大島（現在の大垣市）または山県郡の出身とされています。永正12年（1512年）、父・光宗が山県合戦で戦死し、幼くして孤児となりましたが、縁者の大杉弾正に育てられました。13歳の時には、美濃の国人との戦闘で弓矢を用いて敵を討ち取るという武勇を示しています。

当初は美濃斎藤氏の家臣・長井道利に仕え、関・加治田合戦の加治田城攻城戦に従軍しました。長井氏の没落後、永禄7年（1564年）に織田信長に召し出され、弓足軽頭（弓大将）となります。信長からの信頼は厚く、永禄11年（1568年）には100貫文の土地を与えられました。元亀元年（1570年）の姉川の戦いでは戦功を挙げ、坂本の戦いでは、その働きぶりを信長に「白雲をうがつよう」と賞賛され、雲八と名乗ることを許されました。

その後も、江北、越前、長篠の戦いなどで武功を重ね、安土城矢窓切事の奉行も務めました。

天正10年（1582年）の本能寺の変の際には安土城にいましたが、変報を聞き、妻子を連れて美濃へ帰還。斎藤利堯に味方し、森長可と戦い勝利しました。その後の清洲会議を経て、丹羽長秀に属し賤ヶ岳の戦いに参陣、あるいは羽柴秀吉に召し出され弓足軽大将となり6,000石を領知したとも伝えられています。豊臣秀次付きとなった後、秀次の命で京都法観寺八坂の塔の窓に矢を射込むという逸話も残っています。

天正18年（1590年）の小田原征伐、文禄元年（1592年）からの朝鮮出兵にも参加し、慶長3年（1598年）には1万1,200石に加増されました。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、嫡男・光成と共に東軍に与し、武功を挙げました。次男光政や三男光俊は西軍に与しましたが、その罪は許され、戦後には徳川家康から恩賞として領地が加増され、1万8,000石を領するに至りました。本多正純から豊後国臼杵城主に推挙されるも、これを辞退しています。

慶長9年（1604年）8月23日、97歳という長寿を全うしました。生涯で53度の合戦に臨み、41通の感状を得たと伝えられています。死後、家督は光成が継ぎましたが、所領は息子たちに分知され、関藩は廃藩となりました。

光義の墓所である大雲寺には、光義の画像が所蔵されており、関市役所には光義が使用した甲冑が展示されています。

人物

『丹羽家譜伝』には、射芸の腕が評判となり「百発百中ノ妙ヲアラワス」と評されたと記されています。弓に関する逸話も多く、『寛永諸家系図伝』には、鉄砲を持つ敵兵を弓で射殺した話や、樹木ごと射貫き、敵の首に当てた話などが残されています。

大阪城甲本賤ヶ岳合戦図屏風には、「大嶌雲八」の別名で弓を射る姿が描かれています。

祭り

関まつりあんどんみこしコンクールでは、特等として大雲寺と大嶋雲八の名が冠されています。

関連作品

* 小説：近衛龍春『九十三歳の関ヶ原 弓大将大島光義』（2016年）

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