大韓毎日申報

大韓毎日申報

大韓毎日申報（だいかんまいにちしんぽう）は、1904年7月にイギリス人アーネスト・ベッセルと韓国人の梁起鐸によって創刊された新聞です。この新聞は、大韓帝国時代における重要なメディアの一つであり、特に日本の朝鮮侵略に対する批判の声を上げるために使われました。創刊当初から、ベッセルや梁起鐸をはじめ、朴殷植や申采浩といった愛国者たちが同紙を利用して愛国啓蒙運動を推進しました。

創刊から1年後の1905年には英語版も発行され、多くの外国人に向けた情報発信の場ともなりました。しかし、当初はベッセルも経営に関与していましたが、最終的には名義だけを残し、梁起鐸が単独で経営を行うことになります。

その後、韓国統監府は大韓毎日申報に対して弾圧を試みましたが、社長が外国人であったため、治外法権の影響で彼らに対する対応には苦慮しました。1908年には、イギリス政府への働きかけが成功し、ベッセルは上海に追放されることとなります。この結果、梁や他の関係者は逮捕され、厳しい弾圧を受けました。

1910年には日韓併合が実現する中で、朝鮮総督府は大韓毎日申報を買収し、名称を「毎日申報」に変更しました。この変更により、同紙は総督府の公式機関紙となりました。

大韓毎日申報は、当時の社会における重要な情報源として、また愛国者たちの声を広める媒体としての役割を果たしました。その歴史は、韓国の近代史における新聞の影響力の一端を示すものといえるでしょう。また、報道の自由や言論の権利がどのように抑圧され、また逆に発展していったのかを考える上での重要な事例ともなっています。

エピソード

大韓毎日申報のスタッフや経営陣は、日本の占領政策や抑圧に抗うために様々な活動を展開しました。報道だけにとどまらず、さまざまなイベントや集会を通じて、民衆への啓蒙活動を行いました。彼らの努力はやがて大きな運動となり、韓国の独立運動へとつながっていきます。

この新聞が発刊された背景には、韓国が日本の影響を受け続ける中で、自らのアイデンティティを守り、文化の自立を求める声があったことが挙げられます。それゆえ、大韓毎日申報は単なる新聞ではなく、国家や民族の誇りを表現する重要なメディアとして位置づけられていたのです。

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