梁起鐸

梁起鐸：大韓民国の独立運動家

梁起鐸（ヤン・ギタク、1871年4月2日-1938年4月20日）は、大韓民国の独立運動において重要な役割を果たした人物です。済州梁氏出身で、雅号は雩岡（ウガン）です。彼は、政治運動、言論活動、そして教育事業など、多岐にわたる活動を通して、韓国の独立のために尽力しました。

早期活動と抗日運動

平安南道江西郡で生まれた梁起鐸は、幼少期に漢学を学び、その後漢城（現在のソウル）に移り、官立漢城外国語学校で英語を習得しました。1897年には独立協会に参加し、国家独立に向けた啓蒙運動に携わります。閔泳煥の改革党にも参加し、李商在や李儁らと共に活動しました。

1904年には宮内府で英語通訳を務めながら、イギリス人ジャーナリストのアーネスト・ベセルと共に英字新聞『コリアタイムズ』を創刊しました。翌年には、朴殷植を主筆、ベセルを社長とする『大韓毎日申報』の創刊にも参加し、国漢文混用体で発行される同紙を通して、活発な抗日言論活動を展開しました。

宮内府勤務中、日本政府による荒地開拓権要求には保安会、そしてその後身である大韓協同会を通じて反対運動を展開しました。さらに、義兵運動に関わる儒学者や、キリスト教、天道教などの独立運動家とも交流を持ち、幅広いネットワークを構築しました。

投獄と亡命

1907年、梁起鐸は大韓毎日申報の主筆となり、安昌浩が率いる新民会にも参加しました。1910年の安明根による安岳事件、1911年の105人事件では首謀者として逮捕され、勲六等を褫奪、4年近くの獄中生活を送ることになります。1915年に釈放されると、翌年には満州へ亡命しました。しかし、1918年には天津で日本の警察に逮捕され、韓国へ送還されました。このため、1919年の三・一独立運動には、全羅南道の居金島に収容されていたため参加できませんでした。

1921年には、訪韓したアメリカの議員団に対し独立の意志をアピールするデモを計画、逮捕されました。釈放後再び満州へ渡り、他の独立運動家と合流して活動しました。片康裂と共に武装独立運動団体である義成団を結成するなど、統義府、正義府、高麗革命党、国民府といった組織の設立にも参加。教育事業にも携わり、学校を設立して人材育成にも力を注ぎました。

大韓民国臨時政府大統領

1933年10月、梁起鐸は大韓民国臨時政府の大統領に就任し、1935年10月までその職に就きました。臨時政府大統領として、韓国独立のための外交活動や国内の統治に尽力しました。

死去とその後

1938年、中国の江蘇省で病死しました。享年67歳。死後、1962年には建国勲章大統領章が授与されました。

まとめ

梁起鐸は、多様な活動を通して韓国の独立運動に大きく貢献した人物です。ジャーナリスト、政治家、教育者として、常に韓国の独立を訴え続けました。彼の生涯は、韓国の独立運動の歴史において重要な一章を刻んでいます。彼の活動は、現在も韓国の人々に記憶され、敬意を払われています。 彼の功績は、韓国の独立と発展への道のりを照らし続ける灯台と言えるでしょう。

もう一度検索