大韓民国空軍

大韓民国空軍の概要

大韓民国空軍（ROK Air Force、ROKAF）は、韓国の国軍を構成する航空組織であり、主に防空任務を中心に人道支援や危機発生時の活動に従事しています。軍の設立は1948年に遡り、約65,000人の人員と約790機の航空機を擁しています。

歴史的背景

1945年の第二次世界大戦終結後、日本による朝鮮の支配が終わり、帰還した航空専門家たちが韓国航空建設協会を立ち上げましたが、当初はアメリカ軍によって承認されず、1948年に陸軍の一部として軽飛行隊が創設される運びとなります。

同年5月には初の航空幹部が任官され、初めての航空部隊が設立されました。9月にはアメリカから10機のパイパーL-4グラスホッパーが寄贈され、これを基にさらに改善が図られました。1948年末までにはL-5型偵察機が導入されるなど、急速に部隊の拡充が進みました。

空軍独立の機運が高まる中、1949年10月1日に正式に韓国空軍が発足しましたが、その後すぐに朝鮮戦争が勃発し、北朝鮮空軍の航空機に対抗するため、韓国空軍は急速に軍事力の展開を進めました。アメリカからの技術支援を受けて、P-51D マスタングをはじめとする航空機が新たに導入され、陸軍航空隊から独立した空軍の形成が行われました。

設備と戦力の近代化

1960年代から1970年代にかけては、北朝鮮の脅威に対応すべく、F-86やF-5、F-4などの戦闘機が次々に配備されました。1990年代にはF-16やKF-16の導入、2000年代にはKF-15Kの開発が進み、近代化が加速しました。さらに、2020年代にはF-35Aなどの最新鋭機の導入が進められています。

国産練習機（KT-1、T-50）も開発されており、将来的には国産戦闘機であるKF-21も期待されています。

現在の体制

現在、韓国空軍には南部戦闘司令部と北部戦闘司令部が設置されており、2015年にはこれらが空中戦闘司令部と空中機動偵察司令部に改編されました。主要基地として、烏山空軍基地やソウル空軍基地、水原空軍基地、大邱空軍基地などが存在し、それぞれの地域で防衛任務を遂行しています。

組織構成

空軍参謀総長が指揮する空軍本部には、多岐にわたる司令部が存在し、作戦司令部、空中戦闘司令部、防空ミサイル司令部などそれぞれが特化した任務を持っています。また、教育司令部や空軍士官学校などの教育機関も整備され、人材の育成にも力を入れています。

韓国空軍は、その使命を果たすため、常に最新の戦略や技術を取り入れ、地域の平和を守る一翼を担っています。

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