大魔神カノン

大魔神カノン

『大魔神カノン』は、2010年4月から10月までテレビ東京で放送された特撮テレビドラマであり、全26話から成ります。この作品は、大映が過去に製作した特撮時代劇映画『大魔神』を現代に復活させたものでありますが、そのストーリーは大きく異なります。

概要

本作は、東映を退社した高寺重徳プロデューサーの初の特撮ドラマシリーズであり、これには多くのクリエイターが参加しています。脚本には大石真司や荒川稔久が名を連ね、監督には坂本太郎や鈴村展弘、大峯靖弘が起用されています。音楽を手がけたのは佐橋俊彦であり、高寺氏や東映特撮と深い関係を持つ人々が制作に関わっています。撮影は2009年6月から始まり、約7ヶ月間続きました。その過程で、CGを駆使した敵キャラクターの描写が行われ、総製作費は驚くことに10億円に達しました。これは通常の深夜ドラマの約4倍の金額に相当します。

当初の放送予定は2009年10月でしたが、2010年4月に延期されました。この作品には、当初湯浅憲明が監督を務める予定でしたが、最終的には坂本太郎が第1話、第2話及び最終話を担当し、作品全体での演出の中心的役割を果たしました。

あらすじ

物語は、山形県から上京した巫崎カノンという女性が主人公です。彼女は過去の出来事から深い傷を受け、東京都の片隅で孤独に過ごしています。その頃、古代から存在する妖怪オンバケたちが、彼女と運命的に出会います。彼らは、長老ジュウゾウの命令を受け、東京に向かって旅をしています。カノンは人間からの悲しみを乗り越えようと奮闘し、彼女と善意に満ちたオンバケたちとの触れ合いが、この物語の主題となります。彼らの出会いが、伝説の“ブジンサマ”を巡る心温まる物語へと展開していきます。

登場人物

• - カノン: 20歳の大学生で、歌を愛し、歌手を夢見る主人公。彼女は他人を信じることができなくなっているが、出会ったオンバケたちとの交流を通じて少しずつ心を開いていきます。
• - タイヘイ: 武将の兜から転生した320歳のオンバケで、誠実で正義感が強い性格。しかし、考えなしに行動することもあり、しばしば困難を引き起こすことでも知られています。
• - イケチヨ: 花魁の飼っていた金魚で、見た目は若い女性ですが実年齢は高いという摩訶不思議な存在。

その他にも、様々な個性豊かなオンバケたちが登場し、それぞれの特徴や背景が物語に深みを加えています。これらのキャラクターの交流を通じて、信頼や愛、そして再生のテーマが描かれます。

制作

この作品は、特撮ファンのみならず、幅広い世代に支持される作品に仕上がっています。また、コミカライズも行われ、さらなる人気を博しました。放送終了後も、多くのファンに愛され続けています。公式サイトや関連書籍を通じて、今なお多くの情報が発信されており、作品への関心は衰えることを知りません。

『大魔神カノン』は、人と妖怪たちが反発し合う現代社会において、共に生きることの希望を描いた素晴らしいドラマです。

もう一度検索