大鷹正次郎

大鷹正次郎は、1892年（明治25年）2月15日に岩手県和賀郡黒沢尻町（現在の北上市）で生まれ、1966年（昭和41年）11月4日に生涯を閉じました。彼は日本の外交官として、激動の時代を駆け抜けました。

生い立ちと学歴

旧制第七高等学校造士館を経て、1917年（大正6年）に東京帝国大学法科大学を卒業。翌年には高等試験外交科に合格し、外交官としてのキャリアをスタートさせました。この頃から、彼の国際的な舞台での活躍が期待されていました。

外交官としてのキャリア

外交官補としてベルギーに赴任後、領事官補としてハルビン、天津など、アジアの重要な地域で経験を積みました。その後、ドイツ大使館三等書記官、オーストリア公使館三等書記官、オランダ公使館二等書記官、ベルギー公使館一等書記官、満州国大使館一等書記官、青島総領事など、数々の要職を歴任しました。

特に1938年（昭和13年）には、駐ラトビア公使に任命され、駐リトアニア公使と駐エストニア公使も兼任しました。この時期、彼はバルト三国との外交関係において重要な役割を果たしました。

家族

大鷹正次郎の家族も、外交の世界で大きな足跡を残しています。子息である大鷹弘、大鷹正、大鷹市郎、そして孫の大鷹正人も外交官として活躍しました。また、参議院議員を務めた山口淑子や、日本チェコ友好協会会長を務めた大鷹節子は義娘にあたります。彼の一族は、日本の外交史において重要な存在と言えるでしょう。

著書と栄典

彼は、1958年に『第二次大戦責任論』を時事通信社から出版しています。この著書は、彼の外交官としての経験と考察が反映されたものでしょう。

また、1940年（昭和15年）8月15日には、紀元二千六百年祝典記念章を受章しました。これは、彼の長年にわたる功績が認められた証と言えるでしょう。

参考文献

大鷹正次郎に関する情報は、以下の文献にも記録されています。

帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第12版』帝国秘密探偵社、1937年。
日本官界情報社編『日本官界名鑑 昭和十五年版』日本官界情報社、1940年。

これらの文献は、大鷹正次郎の生涯と業績をより深く理解するための貴重な資料です。

大鷹正次郎は、激動の時代に外交官として国際社会と向き合い、日本の外交に貢献した人物です。彼の経験と功績は、現代の私たちにとっても多くの示唆を与えてくれます。

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