大YAMATO零号

大YAMATO零号について

大YAMATO零号（だいヤマトぜろごう）は、著名な漫画家・アニメーター松本零士によって創作されたOVA作品です。このアニメは、元々「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」の新作として製作が計画されましたが、いくつかの事情により独立した作品として完成しました。

作品の背景

大YAMATO零号が製作されるきっかけは、2002年に「新宇宙戦艦ヤマト」のTV放映および劇場公開が予定されていたことです。この企画には、江守商事（現「サスティナ」）による出資や設立された製作会社「レイジ・マツモト・アソシエイツ」の関与がありました。また、当初は作家の石川好がプロデューサーとして参加し、艦長役にはささきいさおが考慮されていました。

しかし、西崎義展と松本零士間での著作権を巡る裁判で、西崎側勝訴の判決が出たことで、当初の新作「宇宙戦艦ヤマト」は製作不可能となりました。そこで「レイジ・マツモト・アソシエイツ」は大幅な企画改変を行し、1999年に商号変更した「ベンチャーソフト」により新たにTVシリーズ『大銀河シリーズ 大ヤマト編』として発表されましたが、その後の放送には至らず、最終的にはOVA『大ヤマト零号』として2004年に第1巻が発売されました。

ネット配信と再発売

ベンチャーソフトからは第3巻まで発売され、その後いくつかの法的な問題もありました。2006年には動画配信サイト「あっ!とおどろく放送局」で再編集版の配信も行われました。さらに、2007年には「株式会社ゴッドシップ」により再編集を受けたDVD-BOXが通販限定で発売され、2008年10月には一般市場向けも販売されました。2010年には大手レンタルショップでのDVDレンタルが始まり、多くのファンに届けられることとなりました。

ストーリー

宇宙暦3199年、A銀河は、資源を求める4つの敵艦隊の攻撃によって壊滅的な被害を受けていました。辛くも参戦した大YAMATO零号は、戦いを通じて危機に立ち向かうことになります。 そのストーリーは次のように進展します。

Vol.1

A銀河連合本部からの参戦許可を受けた大YAMATO零号は、リゲルが指揮する七千艦隊と共にメタノイドラッケンと交戦します。艦は「ルナ星群」の一つ、ルナEへの退避を提案し、見事に艦隊を救います。

Vol.2

残りの艦とメタノイドラッケンを追撃していた七千艦隊は、影の艦隊による奇襲を受け大損害を被りますが、大YAMATO零号が科学班の分析によって敵の動きを打破します。そこに新たに白亜帝艦が太陽系に迫るとの情報がもたらされます。

Vol.3

続く地球防衛戦において、白亜帝艦に対抗するために出撃したティム艦隊が苦戦しつつも、最終的に地球を守るために力を尽くします。一方で、大YAMATO零号は青の地球の壊滅を知り、危機感を抱きます。

Vol.4

メタノイドラッケンとの戦闘が続き、新たな敵との交戦も避けられず、最終的に、異なる艦との協力で難局を乗り越えます。

Vol.5

ついに迎えた最後の敵、メタノイドインセクターとの激闘が繰り広げられ、合体攻撃で敵艦を撃破し、A銀河の危機を乗り越えます。

登場キャラクター

大YAMATO零号の乗組員たちには、艦長オズマ・ソウジや副艦長ムーア・L・プロスター、科学分析班のホンゴウ・ユキなど、様々な個性豊かなキャラクターが揃っています。

特に、オズマ艦長は、かつて息子を異星人の抗争で失った過去を持ち、部下たちに対する優れた指導力を発揮します。一方、ホンゴウは科学班の一員として魅力的な存在感を示し、物語の進行に大きな影響を与えます。

作品の音楽

音楽面でも評価されており、後藤次利の楽曲が取り入れられ、緊迫感あるシーンを盛り上げています。特に、宮川泰作曲の曲がテーマとして流用されており、作品の雰囲気を一層引き立てています。

このように、大YAMATO零号は、松本零士の独創的な宇宙戦艦の冒険を描いた作品であり、ファンからの支持を受け続けています。

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