天下三分の計 (プロレス興行)

天下三分の計について

天下三分の計（てんかさんぶのけい）は、日本のプロレス界で実施される特異な興行システムです。この興行は、大日本プロレス、DDTプロレスリング、KAIENTAI DOJOの3つの団体が協力して同一の会場で朝、昼、夜の時間帯にそれぞれの大会を開催する形式を取ります。これにより、観客動員を促進し、経費の分担を実現することを目的としています。

1. 開催の経緯

このユニークな試みは、2007年6月25日に行われた記者会見で発表され、各団体がそれぞれの集客力を競いつつ、コストを3分の1に抑える狙いがありました。経済面での理由から始まったこの興行は、また新たなプロレスの楽しみをファンに提供することとなります。

2. 第1回興行

天下三分の計の最初の興行は、2007年10月7日に博多スターレーンで行われました。続く札幌大会も同年10月28日に開催され、観客動員数を競いました。特に注目すべきは、千葉大会であり、最も観客を集めなかった団体には罰が課されることが決まっていました。この際に最下位に甘んじたのはDDTであり、選手たちが早朝出勤を嫌がった結果だったのです。

また、この大会では「ちゃんこ三分の計」と名付けられたイベントも行われ、各団体が競い合い、特定の料理の売上を競っていました。結果、最も売り上げを上げたのはDDTの猪熊裕介でしたが、その後には大日本とアパッチプロレス軍を巻き込む大きなスキャンダルが発生します。

3. 第2回興行

第2回の天下三分の計は、2008年10月13日の札幌大会からスタートしました。この回も各団体が自ら観客を惹きつけるために多大な努力をしましたが、結果として観客動員数は大日本が824人、DDTが745人、K-DOJOが730人と、団体間の順位は少しずつ変動していきました。最下位になったK-DOJOは、1位の大日本から興行権を購入することで、自らの興行をプロデュースすることになりました。

この回からは「三位一体の術」と呼ばれる新しい方式が取り入れられ、各大会の前日に地方都市でミックスマッチの興行が行われることとなりました。

4. 今後の展開

その後も第3回から第7回までの興行が続き、博多大会で毎年恒例のイベントとして定着していきました。特に最終的な大会では、新しい試みや特別ゲストを招くなど、観客を楽しませる工夫が続けられています。

このように、天下三分の計は単なる興行の枠を超え、プロレス界全体に新たな風を吹き込む存在となりました。各団体が協力し合いながらも、しっかりと競争の要素を取り入れることで、プロレスの魅力を一層引き立てています。未来の興行でも、ファンに新しい驚きを提供し続けることが期待されます。

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