博多スターレーン

博多スターレーン：西日本最大級のボウリング場とプロレスの聖地

博多スターレーンは、かつて福岡県福岡市博多区博多駅東に位置していたボウリング場です。「スターレーン」ブランドで全国展開していたイースタンスポーツによって運営され、1972年11月の開業以来、長年にわたり地域の人々に親しまれてきました。

概要

博多スターレーンは、84レーンを有する西日本最大級のボウリング場として知られていました。JR博多駅筑紫口から徒歩4分というアクセス至便な立地も魅力でした。

ボウリング場としての機能に加え、アミューズメントスペースやイベントホールも併設されており、特にプロレス興行が頻繁に開催されたことで有名です。その様子から、日本のプロレスにおける“西の聖地”とも呼ばれました。三沢光晴率いるプロレスリング・ノア勢が、全日本プロレスの興行に最後に出場した会場としても知られています。また、プロボクシング興行にも使用され、元世界チャンピオン越本隆志のデビュー戦もスターレーンのリングで行われました。

特徴的だったのは、ボウリング場ビル内にあるため天井が非常に低かった点です。リング設置部分については、後に天井を刳り貫く工事が施されました。また、フロアレイアウトの変更が容易であったことも、様々なイベントに対応できる要因でした。

閉館

2015年7月の豪雨で近くの御笠川が氾濫し浸水被害を受けたものの、その後も営業を継続していました。しかし、施設の老朽化を理由に2019年1月22日、同年3月31日をもって閉館することが発表され、多くのファンに惜しまれつつ閉館しました。

最終日には、イベントホールでの展示会がキャンセルになったことを受け、大日本プロレス・東京女子プロレス・DDTプロレスリングが急遽プロレス興行を企画しました。大日本プロレスは同日夜に名古屋大会を、DDTプロレスリングは昼に福島大会を控える中、変則的なダブルヘッダーを敢行。東京女子プロレスにはアジャ・コングが初出場を果たすなど、「一日3団体3興業」という形で幕を閉じました。

閉館後

閉館後、建物は解体され、跡地にはNTT都市開発と大成建設による共同事業「博多イーストテラス」が2022年8月に完成しました。博多コネクティッド規制緩和第1号として、博多駅周辺地区最大級の広場を有する地上10階建てのオフィスビルとなっていますが、ボウリング場は入居していません。

施設

ボウリング：84レーン
カラオケスペース
レストラン（イタリアン、中華料理）
喫茶店
展示会場：大・小多数

まとめ

博多スターレーンは、ボウリング場としてだけでなく、プロレスの聖地としても多くの人々に愛された場所でした。閉館は惜しまれますが、その名は日本のプロレス史に深く刻まれています。

参考文献

『想い出のプロレス会場物語』ベースボール・マガジン社、2016年。ISBN 9784583624372。

外部リンク

* 博多スターレーン - ウェイバックマシン（2019年3月30日アーカイブ分）

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