天使のいる図書館

『天使のいる図書館』は、2017年に公開されたウエダアツシ監督による日本映画です。奈良県の葛城地域を舞台に、新人司書が地域の人々との交流を通して成長していく姿を描いています。

概要

映画は、葛城地域観光協議会が発足した「葛城地域観光振興シネマプロジェクト」の一環として製作されました。葛城地域に実在する図書館を舞台に、地域の歴史や文化に触れながら人間的に成長していく新人司書の姿を描いています。撮影は全て葛城地域で行われ、2017年2月11日に奈良県で先行公開、2月18日から全国公開されました。

あらすじ

主人公の吉井さくらは、新人司書として地元の図書館に就職し、レファレンスサービスを担当することになります。ある日、老婦人の芦高礼子が図書館を訪れ、さくらに古い写真を見せます。さくらは礼子の願いを叶えようと、写真の場所へ案内します。この出会いをきっかけに、さくらは礼子と共に葛城地域を巡るようになり、亡き祖母への思いを重ねながら、礼子のために尽力したいという気持ちが芽生えていきます。

しかしある日、礼子は約束をしていたにもかかわらず図書館に現れません。翌日、礼子の孫である芦高幸介がさくらの前に現れます。さくらは、近所の男性から礼子の写真に写る男性が過去にコンクールで入賞した人物であることを聞き、図書館の縮刷版で調べた結果、その男性が職場の同僚である田中草一朗であることを突き止めます。礼子が図書館に通っていたのは、写真について調べるためではなく、草一朗の顔を見るためだったのです。

さくらは草一朗に礼子の思いを伝えようとしますが、拒絶されます。それでもさくらは諦めず、入院中の礼子を幸介と共に訪れ、思い出の地であるススキ野原へ連れて行きます。そこで、ついに草一朗が現れ、三人は共に景色を眺めます。幸介がさくらに、二人で再びススキ野原を訪れようと話すシーンで、映画は幕を閉じます。

登場人物

吉井さくら: 新人司書で、本作の主人公。
芦高礼子: 図書館を訪れる老婦人。
芦高幸介: 礼子の孫。
田中草一朗: 図書館の嘱託職員。
吉井満彦: さくらの父で、天神社の神主。

キャスト

小芝風花：吉井さくら役
香川京子：芦高礼子役
横浜流星：芦高幸介役
森本レオ：田中草一朗役
内場勝則：吉井満彦役

スタッフ

監督：ウエダアツシ
脚本：狗飼恭子
原案・エグゼクティブプロデューサー：山国秀幸
音楽：佐藤和生
* 主題歌：奇妙礼太郎『欲望のしるし』

『天使のいる図書館』は、美しい葛城地域の風景と共に、人と人との温かい繋がりを描いた作品です。図書館を舞台に繰り広げられる、さくらの成長物語は、観る人の心を優しく包み込みます。

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