天児牛大

天児牛大 - 日本の舞踏家・振付家・演出家

天児牛大（あまがつ うしお）は、1949年12月31日に神奈川県横須賀市で誕生し、2024年3月25日に心不全により74歳で他界した。彼は、日本舞踏界において重要な存在であり、多くの作品を残し、多岐にわたる活動を展開した。

本名である上島正和としても知られ、舞踏カンパニー山海塾の創設者であり、主宰を務めた。彼の舞踏は全身白塗りの姿と剃髪から成り立ち、そのユニークなスタイルにより、国内外で高く評価されている。彼は振付や演出においても独自のセンスを発揮し、数々の賞を受賞している。

略歴

天児は1972年に大駱駝艦創設に参加し、1975年には自身の舞踏カンパニー山海塾を設立した。1980年には初めての海外公演を成功させ、1989年には青山スパイラルホールの芸術監督に就任した。1992年にバニョレ国際振付コンクールの審査委員長を務め、その後2002年から2005年にはトヨタ・コレオグラフィー・アワードの審査委員長に就任した。

天児は、74年の人生を通じて数多くの創作を行い、2002年にはペーター・エトヴェシュ指揮のオペラ『青ひげ公の城』の演出で注目を集めた。1998年には新作オペラ『三人姉妹』をフランス・リヨン国立歌劇場で初演し、彼の演出に対する高い評価が確立された。

創作活動

天児の代表作には、1977年の『アマガツ頌』や1978年の『金柑少年』、1981年の『砂紀』がある。特に1982年から84年にかけてパリ市立劇場と共同で制作した『縄文頌』や『熱の型』は、国際的な舞踏表現として評価されている。

また、1995年には作品『ゆるやかな振動と動揺のうちに―ひよめき』を発表し、フランスの各劇場とも非常に密接な関係を築いた。天児はその後もオペラや舞踏に挑戦し続け、近年では2008年に初演した『降りくるもののなかで―とばり』などが注目された。

受賞歴と評価

彼の芸術的貢献は数多くの受賞歴に裏打ちされており、1992年にはフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエ章を受章し、1998年にはオペラ『三人姉妹』にてフランス批評家協会最優秀賞を受賞。その後も2011年に紫綬褒章、2014年には芸術文化勲章コマンドール章を受賞し、2024年に旭日小綬章が追贈されることとなった。

影響と遺産

天児牛大は、舞踏界におけるパイオニア的存在として、後進の振付家や舞踏家たちに多くの影響を与えた。彼の作品や演出は、今後も日本の舞踏文化の重要な部分として語り継がれていくことでしょう。天児の独特な表現スタイルは、彼の死後も多くのアーティストに受け継がれ、未来に向けての舞踏の在り方に新たな可能性を開くことに貢献していくことが期待されます。

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