山海塾

山海塾（さんかいじゅく）

山海塾は、1975年に天児牛大（あまがつ うしお）によって創設された舞踏グループです。設立から約50年の歴史を持ち、舞踏の最前線で数々の作品を世に送り出してきました。特に1980年以降は海外での公演活動を開始し、これまでに48か国、700都市以上でパフォーマンスを行ってきました。

組織の成り立ちと初期の作品

創設者である天児牛大は、当初大駱駝艦のメンバーとして活動していましたが、1975年に独自に山海塾を立ち上げました。初めての公演『アマガツ頌』は1977年に行われ、その後1978年には『金柑少年』を初演。これは日本の消防会館で行われ、その後のツアーでは学園祭を中心に多数の公演を重ねました。

1979年には、野外作品『処理場』を発表。当時から国際的な舞台への進出を視野に入れていました。1980年に入り、パリでの野外イベントを契機に、海外公演が本格化。初めての劇場向け作品『金柑少年』をナンシー国際演劇祭で披露し、年間で34都市、115公演を行い3万人以上の観客を動員しました。

主要作品とプロデュースの進展

1982年以降、山海塾はパリ市立劇場との共同プロデュースを開始し、より多くの作品を国際的に発表しています。代表的な作品には『縄文頌』や『熱の型』、さらには『卵を立てることから―卵熱』などがあります。これらの作品は舞踏の新たな表現を模索し、成功を収めました。

1985年のシアトル公演中、主要メンバーの高田悦志がパフォーマンス中に不幸な事故に遭い、以降の活動にも影を落としましたが、グループはその後も活動を続けました。

受賞歴と国際的な評価

1982年にはミュンヘンフェスティバルでローズ賞を受賞し、同年のベオグラード演劇フェスティバルでもグランプリを獲得しました。1995年には外務大臣表彰を受け、その表現力が認められました。2001年と2002年にはそれぞれ舞踊批評家協会賞やローレンス・オリヴィエ賞を受賞し、国内外での評価が高まっています。

映像作品と文献

山海塾の活動は映像作品としても残されており、2007年の「卵熱 卵を立てることから」や、2009年の「HIBIKI」、2013年の「KAGEMI」などがリリースされています。また、Guy Delahayeによる写真集や、創立25周年を記念した資料も存在しており、その軌跡を振り返る貴重な資料となっています。

現在の活動

2023年までに、山海塾は新作を発表し続けており、多くの観客に愛される存在であり続けています。特に2010年には新作『から・み』が全8公演完売となり、パリの観客からも高く評価されています。これらの活動は、山海塾が持つ独特の美学と哲学が反映されており、舞踏の新たな未来を切り開いています。

公式サイトや様々なメディアを通じて、その活動情報は広く発信されているため、今後の公演情報も注視していきたいところです。

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