天号作戦

天号作戦とは

天号作戦（てんごうさくせん）は、第二次世界大戦の太平洋戦争末期に、日本軍が行った防衛作戦計画です。この作戦は1945年春に決定され、連合国軍による日本本土への侵攻に対し、本土を守るための戦略的な航空作戦として実施されました。

計画の背景と目的

天号作戦は、1945年の3月に始まった連合軍の攻撃に対抗するための計画でした。まず、連合艦隊から発令された指令により、南西諸島への敵部隊の攻撃を阻止し、本土防衛に最大限の力を挙げることが求められました。具体的には、「敵主力を撃滅する」との目的のもと、航空兵力を集中的に配置し、敵の攻撃を防ぐための準備が進められました。

作戦計画内では、航空力による特攻攻撃を実施し、敵の艦隊や上陸部隊を洋上及び水際で撃破することが目指されました。また、すでに上陸した敵に対しては、地上での強力な抵抗を行い、航空基地の占領を阻止することが計画されました。これにより、作戦全体の目的が達成されるという見込みが持たれていたのです。

複数の作戦の展開

天号作戦にはいくつかのサブ作戦が含まれており、それぞれが異なる地域を対象としました。たとえば、天一号作戦は沖縄方面を中心に戦われ、天二号作戦は台湾方面、天三号作戦は南支沿岸、天四号作戦はフランス領インドシナおよび海南島を目指しました。

陸軍と海軍の見解は異なり、陸軍は天号作戦を本土を軸とした戦略全体の一部と捉えていました。彼らは本土決戦を可能にするために米軍の進攻を遅らせる時間を稼ぎたいと考え、航空戦力を連携させることに重きを置いていました。一方、海軍は沖縄を失うことが本土決戦の根幹を揺るがすことになると認識し、沖縄での戦闘がこの戦争の決定に繋がると見ていました。

計画決定までの経緯

天号作戦は1945年の1月20日に「帝国陸海軍作戦計画大綱」として上奏され、2月6日に具体的な作戦計画が発表されました。この大綱の主眼は、敵に対して大打撃を与え、その影響を確保することであり、連合国軍の攻撃を阻止する戦略が謳われていました。

敵情判断に基づき、アメリカ軍が沖縄への攻撃を実施する公算が高いと見ており、南西諸島は重要な防衛地点とされました。そのため大本営も、作戦の重点を南西諸島に置くことが指導され、連合国軍の主力を叩くために航空兵力の徹底的な集中が求められました。

作戦の実施と結果

1945年3月17日には「天一号作戦」の発令が行われ、続いて実施された航空攻撃に対して連合国軍は迅速に反応しました。しかし、この作戦の最中、日本側の航空力が十分に整備されていない中で連合国軍の上陸が始まり、計画通りの展開には至りませんでした。日本軍は、菊水作戦と呼ばれる攻撃作戦を展開し、特攻攻撃による連合国軍への抵抗を試みましたが、その効果は限定的でした。

天号作戦は、沖縄戦を背景にしながら日本本土決戦を目指す重要な作戦として位置づけられたものの、多くの困難に直面し、適応が求められる状況となっていました。最終的に、これらの作戦は本土決戦計画に影響を与え、さらなる戦局の変化を促す要因ともなったのです。

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