天国から北へ3キロ

『天国から北へ3キロ』は、三谷幸喜が主宰する劇団東京サンシャインボーイズのために書き下ろした舞台劇で、後にテレビドラマ、コミックとしても展開された作品です。1978年公開のアメリカ映画『天国から来たチャンピオン』にインスパイアされた本作は、三谷作品らしいユーモアとペーソスが織り交ぜられた物語が特徴です。

1989年に東京サンシャインボーイズによって初演された舞台版は、三谷幸喜自身が作・演出を手がけました。この初演版は、2011年に三谷が監督・脚本を務めた映画『ステキな金縛り』の原型とも言える展開が見られます。1991年には、演劇集団キャラメルボックスの加藤昌史プロデュースにより再演されました。この再演版では、初演版とは異なる演出や配役が採用され、新たな魅力を引き出しています。

物語の主人公は、恋人の田山雄三と同棲生活を送る千代田たま子です。幸せな日々を送っていた彼女は、突然の事故で命を落としてしまいます。霊となったたま子は、田山のそばに戻りたいと強く願いますが、天使の巴さんは、彼女を天国へ連れて行く使命を帯びています。たま子に振り回される巴さんと、たま子の存在に気づかず、カラオケで盛り上がる田山の対比が、コミカルに描かれています。

舞台版の初演では、巴さんを相島一之、たま子を宮地雅子、田山を西村雅彦が演じました。再演版では、西川浩幸が田山役、松田かおりがたま子役を演じ、粟根まことが巴さん役を務めています。テレビドラマ版では、大地真央がたま子役、中井貴一が田山役を演じました。コミック版は、糸井美和、藤本あきほによってそれぞれ作画されました。

本作は、映画『ゴースト/ニューヨークの幻|ゴースト_ニューヨークの幻』から着想を得たと思われがちですが、初演は1989年であり、直接的な関連はありません。三谷幸喜の初期の代表作の一つとして、舞台、ドラマ、コミックと様々な形で展開された『天国から北へ3キロ』は、多くの人々に愛される作品となっています。

初演舞台版詳細

作・演出：三谷幸喜
上演期間：1989年7月4日 - 9日
劇場：下北沢駅前劇場

主なキャスト

巴さん：相島一之
千代田たま子：宮地雅子
田山雄三：西村雅彦

再演舞台版詳細

プロデュース：加藤昌史
演出：高橋いさを
上演期間：1991年10月13日 - 20日
劇場：青山円形劇場

主なキャスト

田山雄三：西川浩幸
千代田たま子：松田かおり
巴さん：粟根まこと

テレビドラマ版詳細

放映日：1991年6月28日
放送局：CX
演出：合月勇
脚本：三谷幸喜

主なキャスト

千代田たま子：大地真央
田山雄三：中井貴一
巴さん：益岡徹

コミック版

『天国から北へ3キロ』（1993年7月、講談社コミックスフレンド、原作：三谷幸喜、作画：糸井美和）
『天国から北へ3キロ』（1997年8月、講談社コミックスフレンド、原作：三谷幸喜、作画：藤本あきほ）

関連事項

東京サンシャインボーイズ
演劇集団キャラメルボックス
劇団ショーマ
劇団☆新感線
善人会議
ステキな金縛り

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