天坊裕彦

天坊裕彦の生涯

天坊 裕彦（てんぼう ひろひこ、1907年1月7日 - 1984年8月23日）は、日本の鉄道官僚や政治家として著名な人物でした。彼は日本国有鉄道の副総裁や、参議院議員としても満開の活躍を見せました。特に、国の鉄道制度の発展に多大な貢献を果たしました。

幼少期と学歴

裕彦は、京都府で父・天坊幸彦の長男として生まれました。京都での教育を受けた後、彼は第三高等学校を経て、1929年3月に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。卒業後すぐに高等試験行政科試験に合格し、同年4月には鉄道省に入省を果たしました。彼の官僚生活はここから始まります。

官僚としてのキャリア

裕彦は鉄道省に入省後、大臣官房に配属され、その後も様々な役職を歴任しました。初めての職務である松阪駅長を皮切りに、大阪鉄道局庶務課文書掛長、鉄道省事務官、そして中支那派遣軍特務部附など、多岐にわたる職務をこなしました。彼はまた、鉄道局参事や鉄道調査部書記官などの重要な役割も担い、これらの経験をもとに後の大きな判断を下す能力を磨いていきました。

1941年にはアメリカ合衆国に赴任し、開戦に際しては引き揚げ船に乗船して帰国しました。戦後の1949年6月には日本国有鉄道が設立され、理事及び大阪鉄道局長に就任。1951年8月には副総裁に昇任し、1956年1月までその職にありました。

政治家としての活動

1956年7月には第4回参議院議員通常選挙に全国区から出馬し、見事に当選しました。続く第6回通常選挙でも再選し、参議院議員として2期連続で活動をしました。彼は地方行政委員長や運輸委員長として経済、交通政策の重要な議論に貢献しました。また、日本トラック協会の会長や阪神高速道路公団理事長も歴任しました。

鉄道友の会の貢献

裕彦は鉄道友の会の会長をも務め、鉄道文化の振興にも尽力しました。特に1956年から1963年までの間と、1970年から1981年までの間にかけて、同会の第2代・第4代会長として活動し、鉄道の魅力やその重要性を広める役割を担いました。

栄誉と晩年

1977年には春の叙勲で勲一等瑞宝章を受賞し、その後も日本の鉄道、交通政策において重要な立場での影響力を保ちました。1984年8月23日に87歳で亡くなり、死に際して正五位から従三位に叙されました。

親族

裕彦は、父・天坊幸彦は郷土史家として名を馳せ、大阪府第四中学校の教諭を務めていました。また、彼の次男である天坊昭彦は元出光興産社長となり、彼の家系もまた日本のビジネス界で重要な役割を果たしています。

結論

天坊裕彦は日本の鉄道と政治において重要な影響を与えた人物であり、彼の業績は今日でも多くの人々に評価されています。彼の生涯は、戦前から戦後にかけての日本の発展を物語っています。

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