天城 (未成空母)

天城 (あまぎ) に関する詳細情報

艦名の由来
天城は静岡県伊豆半島の中央に位置する天城山にちなんで名付けられました。この艦名は明治時代のスループ艦天城に続くもので、後に空母として改装された艦にもこの名前が引き継がれています。

艦型と計画
天城は八八艦隊計画に基づき、天城型巡洋戦艦として横須賀海軍工廠で起工されました。その特徴としては、巡洋戦艦の速力と戦艦の火力、防御力を兼ね備えた新世代艦艇であり、実質的には高速戦艦に分類されます。しかし、ワシントン海軍軍縮条約が締結されたことにより、巡洋戦艦としての建造は中止され、航空母艦になることが決定しました。日本ではこの条約に従い、建造中であった2隻の巡洋戦艦が空母に変更されましたが、天城は進水前に発生した関東大震災によって損傷し、廃棄されることとなりました。

艦歴
1917年7月20日に始まった建造は、1919年7月17日に天城と赤城の艦名が与えられ、その後1920年に起工に至りました。しかし、1922年のワシントン会議後、建造中の艦は多数が中止され、天城もその一つでした。1923年1月18日から空母改造工事が始まりましたが、同年9月に関東大震災が発生し、横須賀海軍工廠は大きな被害を受けました。天城も震災により重大な損傷を受け、空母に改造するには適さないと判断され、1923年11月に廃棄が決定されました。

廃艦とその後の影響
天城の解体後、日本海軍は残骸を流用し、一部は浮き桟橋などに生まれ変わりました。例えば、浮き桟橋は長年にわたってアメリカ海軍の港湾施設として利用されました。また、天城用に製造されていた部品の一部が、後続の艦に転用され、特に赤城や間宮などに使用されるようになりました。

文化的影響
天城はアニメや漫画、小説など様々な作品にも登場しています。特に『ストライクウィッチーズ』シリーズでは、歴史的事実に基づかない形で天城が活躍する設定が描かれています。また、戦艦としての存在を持つ天城が多くのフィクションで表現されていることは、艦の人気を示しています。

最終的に
天城は日本海軍において特異な経歴を持つ艦であり、様々な要因により運命が変わりました。未成航空母艦としての姿は残念ながら見ることができませんでしたが、その名は後世まで受け継がれています。

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