天水有軌電車

天水有軌電車

天水有軌電車は、中華人民共和国甘粛省天水市麦積区の天水駅と秦州区の五里舗駅を結ぶライトレールシステム、いわゆる路面電車です。このシステムは、同市における唯一のライトレール路線であり、全長13kmにわたって運行されています。

歴史

天水市が主導し、2018年7月15日に建設が開始されました。2019年3月には、600メートルの区間でのテスト走行が実施されました。プロジェクトの総投資額は24億4600万元と見積もられています。1号線の一期区間は2020年5月1日に開業しました。

しかし、運営開始後の状況は厳しく、2023年現在では、年間運営費が8億円を超える一方で、収入は3,000万円余りにとどまっています。この深刻な状況から、2024年1月には中国共産党中央から「巨額の資金の浪費」と名指しで批判される事態となりました。結果として、市中心部への延伸計画は一時的に停止されています。

路線

計画では3つの路線が予定されていますが、2019年時点では1号線の一期区間のみが建設されました。この1号線一期区間は2020年5月1日に開通し、現在運行されている唯一の路線となっています。

停車駅

1号線一期区間には12の駅が設けられていますが、開業当初は11駅が営業を開始しました。

車両

1号線で運用されている車両は5両編成の低床式電車です。最高速度は70km/hで、各車両には58席が設けられています。1編成全体では370人を収容可能です。運行効率を高めるためにスーパーコンデンサーが採用されています。

この車両は、長沙市に拠点を置く中国鉄路通信信号股份有限公司（CRSC）が製造したものであり、CRSCの新式低床路面電車としては初の商業運用事例となります。車両には「伯約」という愛称が付けられています。これは、天水市出身の三国時代の武将、姜維の字に由来しています。

天水有軌電車は、公共交通機関としての役割を果たすだけでなく、都市の発展と観光振興にも貢献することが期待されていましたが、現状では財政的な課題に直面しており、その今後の動向が注目されます。

もう一度検索