天水市

天水市について

天水市は、中華人民共和国甘粛[[省]]の南東部に位置する地級市です。地理的には、西安と蘭州という二つの大都市のほぼ中間に位置しており、交通の要衝としての役割も担っています。

歴史

天水市の歴史は古く、その起源は1913年（民国2年）に、中華民国北京政府が秦州を廃止し、天水県を設置したことに始まります。この時、天水県は渭川道の管轄下に置かれました。この渭川道が、現在の地級市としての天水市の前身にあたります。

1927年（民国16年）になると、国民党軍が隴南に進駐し、道制が廃止されました。その後、天水行政督察専員公署が設置され、この地域を管轄しました。

1941年5月26日には、第二次世界大戦中に日本海軍の戦闘機隊による天水飛行場への急襲があり、中国軍機は甚大な被害を受けました。

1949年（民国38年）8月3日、共産党軍によって「解放」されると、天水分区行政督察区が成立し、天水、甘谷、武山、徽県、両当、通渭、秦安、清水の8県がその監督下に置かれました。同年12月には、天水専区と改称されました。

1950年2月、天水県の中心部に県級市の天水市が設置されました。同年5月25日には、平涼専区から荘浪県が、また岷山専区が廃止され、その一部が天水専区に移管され、天水専区は天水市及び天水、秦安、徽県、両当、武山、漳県、甘谷、清水、荘浪、隴西、通渭の11県、81区公所、614郷を管轄するようになりました。

その後、行政区画の変更が何度か行われ、1952年、1953年7月6日に張家川自治区が設置されました（1955年10月には県に改編）。1956年1月には、隴西県及び通渭県が定西専区に、荘浪県が平涼専区にそれぞれ移管され、武都専区の礼県、西和、成県が天水専区に編入されました。1958年4月8日には、武都専区が廃止され、その所管の宕昌、文県、武都、康県、岷県の5県が天水専区に編入されました。12月16日には岷県が定西専区に移管され、また、県の統廃合が行われると同時に、人民公社化が進められました。

1961年11月15日には、武都専区が再び設置され、1963年10月23日には臨洮専区の廃止に伴い、漳県が天水専区に編入されました。1969年10月1日、天水専区は天水地区と改称されました。

1985年7月8日、天水地区の廃止と天水市の地級市への昇格が決定しました。同時に、天水地区管轄下の西和、礼県、徽県、両当の4県は新設された隴南地区に、漳県は定西地区に移管され、下部に秦城、北道の2区、秦安、清水、甘谷、武山、張家川回族自治県の5県を管轄しました。2005年1月には、秦城区、北道区をそれぞれ秦州区、麦積区と改称し、現在に至ります。

行政区画

天水市は、現在、以下の2つの市轄区、4つの県、1つの自治県を管轄しています。

市轄区
秦州区（しんしゅうく）
麦積区（ばくせきく）
県
清水県（せいすいけん）
秦安県（しんあんけん）
甘谷県（かんこくけん）
武山県（ぶざんけん）
自治県
張家川回族自治県（ちょうかせんかいぞくじちけん）

年表

天水市の成立から現在までの主な出来事を年表形式でまとめます。

1949年10月1日：中華人民共和国甘粛[[省]]天水分区成立（8県）
1949年12月：天水分区が天水専区に改称（8県）
1950年2月：天水県の一部が分立し、天水市が発足（1市8県）
1950年5月25日：平涼専区荘浪県、岷県専区漳県・隴西県を編入（1市11県）
1953年3月12日：徽県の一部が天水県に編入（1市11県）
1953年8月4日：清水県・秦安県・荘浪県の各一部が合併し、張家川回族自治区が発足。天水県の一部が天水市に編入（1市11県1自治区）
1953年8月21日：陝西省宝鶏専区隴県の一部が張家川回族自治区に編入（1市11県1自治区）
1953年9月21日：通渭県の一部が定西専区会寧県に編入（1市11県1自治区）
1953年10月29日：秦安県の一部が天水県に編入（1市11県1自治区）
1954年3月2日：秦安県の一部が天水県に編入（1市11県1自治区）
1954年10月14日：甘谷県の一部が通渭県に編入（1市11県1自治区）
1954年10月22日：秦安県の一部が荘浪県に編入（1市11県1自治区）
1954年11月29日：天水県の一部が天水市に編入（1市11県1自治区）
1955年5月：秦安県の一部が張家川回族自治区に編入（1市11県1自治区）
1955年6月8日：張家川回族自治区が県制施行し、張家川回族自治県となる（1市11県1自治県）
1956年1月：隴西県・通渭県が定西専区に編入。荘浪県が平涼専区に編入。武都専区礼県・西和県・成県を編入（1市11県1自治県）
1956年4月24日：徽県の一部が両当県・成県に分割編入（1市11県1自治県）
1956年8月7日：清水県の一部が張家川回族自治県・秦安県に分割編入。秦安県の一部が清水県に編入（1市11県1自治県）
1956年8月9日：西和県の一部が武都専区武都県に編入（1市11県1自治県）
1956年8月22日：秦安県の一部(周湾郷の一部)が天水県に編入。天水県の一部(石洞郷の一部)が秦安県に編入（1市11県1自治県）
1956年9月11日：秦安県の一部が張家川回族自治県に編入（1市11県1自治県）
1956年10月25日：定西専区通渭県の一部(吉川区新土屏郷・金城郷の各一部)が秦安県に編入。秦安県の一部(古城郷)が定西専区通渭県に編入（1市11県1自治県）
1957年8月22日：徽県の一部が両当県に編入（1市11県1自治県）
1957年11月18日：平涼専区華亭県の一部が張家川回族自治県に編入。甘谷県の一部が秦安県に編入（1市11県1自治県）
1958年3月8日：徽県の一部が天水県に編入（1市11県1自治県）
1958年4月4日：両当県が徽県に編入。漳県および定西専区会川県の一部が武山県に編入（1市9県1自治県）
1958年4月8日：武都専区武都県・康県・文県・宕昌県・岷県を編入（1市14県1自治県）
1958年5月27日：徽県の一部が天水県に編入。成県・礼県の各一部が西和県に編入（1市14県1自治県）
1958年6月11日：定西専区渭源県の一部が岷県に編入（1市14県1自治県）
1958年7月1日：武山県の一部が定西専区渭源県に編入（1市14県1自治県）
1958年9月5日：西和県・礼県が合併し、西礼県が発足。徽県・成県が合併し、徽成県が発足（1市12県1自治県）
1958年11月：徽成県の一部が康県に編入（1市12県1自治県）
1958年12月11日：岷県の一部が甘南チベット族自治州ドゥクチュ県に編入（1市12県1自治県）
1958年12月16日：岷県が定西専区に編入（1市11県1自治県）
1958年12月20日：張家川回族自治県・清水県が合併し、清水回族自治県が発足。天水県が天水市に編入。康県が武都県・徽成県に分割編入。甘谷県が武山県に編入。宕昌県が武都県、定西専区岷県に分割編入（1市6県1自治県）
1961年11月15日：文県・武都県が武都専区に編入（1市4県1自治県）
1961年12月15日：天水市の一部が分立し、天水県が発足。武山県の一部が分立し、甘谷県、臨洮専区漳県が発足。徽成県の一部が武都専区武都県の一部と合併し、武都専区康県となる。徽成県が分割され、徽県・両当県、武都専区成県が発足。西礼県が分割され、西和県・礼県が発足。清水回族自治県が分割され、清水県・張家川回族自治県が発足（1市9県1自治県）
1963年10月23日：臨洮専区漳県を編入（1市10県1自治県）
1964年5月31日：天水市の一部が天水県に編入（1市10県1自治県）
1966年6月23日：武都専区岷県の一部が漳県に編入（1市10県1自治県）
1969年9月4日：天水専区が天水地区に改称（1市10県1自治県）
1971年12月19日：天水県の一部が天水市に編入（1市10県1自治県）
1978年6月30日：天水市の一部が天水県に編入（1市10県1自治県）
1985年5月14日：西和県・礼県が隴南地区に編入。漳県が定西地区に編入（1市7県1自治県）
1985年7月8日：天水市が地級市の天水市に昇格。天水県・秦安県・武山県・甘谷県・清水県・張家川回族自治県が天水市に編入。徽県・両当県が隴南地区に編入。
1985年7月8日：天水地区天水市が地級市の天水市に昇格。秦城区が成立。天水地区天水県・秦安県・武山県・甘谷県・清水県・張家川回族自治県を編入。天水県の一部が秦城区に編入。天水県の残部が区制施行し、北道区となる（2区4県1自治県）
2004年9月30日：秦城区が秦州区に改称。北道区が麦積区に改称（2区4県1自治県）

交通

天水市は、交通の要衝としても重要な役割を担っています。

航空
天水麦積山空港があります。
鉄道
中国国家鉄路集団の宝蘭旅客専用線が通り、天水南駅があります。
隴海線、天平線も利用可能で、天水駅があります。
市内には天水有軌電車も運行しています。
バス
天水羲通公交が市内のバスを運行しています。
道路
連霍高速道路、十天高速道路、平綿高速道路、静天高速道路などの高速道路が通っています。
G247国道、G310国道、G316国道、G566国道などの国道も利用できます。

観光

天水市には、以下のような多くの観光名所があります。

麦積山 - 麦積山石窟
南郭寺
李広墓
伏羲廟
仙人崖
石門（臥虎台）
玉泉観
水簾洞（武山県） - 水簾洞石窟群
* 大象寺（甘谷県）


天水市は、豊かな歴史と文化、そして美しい自然に恵まれた魅力的な都市です。

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