天津天海足球倶楽部

天津天海足球倶楽部：激動の歴史を駆け抜けたクラブ

天津天海足球倶楽部（Tianjin Tianhai Football Club）は、中国・天津市をホームタウンとするプロサッカークラブでした。その歴史は、2006年に天津松江足球倶楽部として誕生したことに始まります。クラブは幾度かの名称変更とホームタウンの移転を経験し、その過程で中国サッカーリーグの昇格を繰り返しました。

クラブの変遷

2006年： 天津松江足球倶楽部として設立。
2007年： ホームタウンをフフホト市へ変更し、呼和浩特濱海足球倶楽部（Hohhot Binhai F.C.）に改称。
2008年： ホームタウンを天津市に戻し、天津市団泊新城として活動。
2009年: クラブ名を天津松江足球倶楽部に再変更。
2010年： 乙級リーグ南区で優勝し、甲級リーグへ昇格。
2015年： 天津権健自然科学集団がクラブを買収し、天津権健足球倶楽部（Tianjin Quanjian F.C.）に改称。
2016年： 中国甲級リーグで優勝し、スーパーリーグへ昇格。
2017年： 中国超級リーグで3位となり、ACL（AFCチャンピオンズリーグ）出場権を獲得。
2018年： ACLに初出場し、グループリーグ進出を果たすも、準々決勝で鹿島アントラーズに敗退。
2019年： 親会社の不祥事によりクラブ名称を天津天海足球倶楽部（Tianjin Tianhai F.C.）に変更。
2020年: 新型コロナウイルスの影響でリーグ開幕が延期、財政難により解散。

クラブは、その短い歴史の中で、めまぐるしい変化を経験しました。特に、2015年の天津権健による買収は、クラブを大きく飛躍させるきっかけとなりました。その後、チームは中国超級リーグで上位争いを演じ、ACLにも出場するなど、目覚ましい活躍を見せました。

獲得タイトル

クラブは、以下のタイトルを獲得しました。

甲級リーグ: 2016年
* 乙級リーグ: 2010年（南区）

これらのタイトルは、クラブが中国サッカー界で一定の地位を築いた証と言えるでしょう。

所属した主な選手・監督

クラブには、国内外から多くの才能が集まりました。選手としては、ターヴィ・ラーン、ルイス・ファビアーノ、ジャジソン、ジェウヴァニオ、アクセル・ヴィツェル、権敬源、アレシャンドレ・パト、アントニー・モデストなどが在籍しました。また、監督としては、ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ、ファビオ・カンナヴァーロ、パウロ・ソウザなど、世界的に有名な指導者がチームを率いました。特に、カンナヴァーロ監督は、その後の活躍から、世界的な名監督としての地位を確立しています。

クラブの終焉

2019年、親会社である製薬会社が商品の効能を偽った広告を出したことが発覚し、その社長でありクラブの会長が逮捕されました。これにより、クラブは天津市体育局の管理下に置かれ、名称も天津天海足球倶楽部へと変更されました。しかし、その後もクラブの財政状況は改善せず、新型コロナウイルスの感染拡大によるリーグ中断も重なり、2020年5月12日に解散という結末を迎えました。その激動の歴史は、中国サッカー界におけるクラブ経営の難しさを物語っています。

クラブの遺産

天津天海足球倶楽部は、その短い歴史の中で、多くのファンに愛され、記憶に残る活躍を見せました。その興亡は、中国サッカー界におけるクラブの盛衰を象徴する出来事として、語り継がれることでしょう。

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