天王寺動物園

天王寺動物園の概要

天王寺動物園（てんのうじどうぶつえん）は、大阪府大阪市天王寺区にある動物園で、1915年に開園しました。日本国内では三番目に古い動物園であり、都市型の動物園として多様な動物を観察することができます。園内面積は約11ヘクタールで、約200種1000匹の動物が飼育されています。2006年には入園者数が1億人を超え、国内では恩賜上野動物園に次いで2番目の数字です。

2021年4月からは、地方独立行政法人として再編成され、より効果的な運営が目指されています。

歴史的背景

天王寺動物園は、その設立当初から商業主義的な側面が強まり、動物の展示以外にもレクリエーションの要素を取り入れてきました。1932年には、チンパンジーの「リタ」が様々な芸を披露して人気を博しましたが、戦時中は厳しい状況に直面しました。戦後も珍しい動物の飼育や新種の繁殖に取り組む一方で、近年は動物保護や教育にも力を入れるようになっています。

特徴と施設

商業主義からの転換

もともと動物の種の保存や研究を重視していた動物園業界に対し、天王寺動物園は早くから商業的な側面を強調していました。しかし、近年では「ZOO21計画」を通じて、動物の生息環境の再現と生態的展示を重視しています。

これには、アフリカサバンナゾーンや爬虫類生態館「アイファー」、アジア熱帯雨林ゾーン等の新しい展示施設の創設が含まれます。また、希少動物の繁殖にも力を注ぎ、日本で唯一のドリルの展示を行うなど、保護活動にも寄与しています。

各地区の展示施設

• - 北園: 爬虫類生態館「アイファー」では、オオサンショウウオや様々な爬虫類を展示しています。「アフリカサバンナゾーン」では、現地の環境を再現した中でライオンやキリンを観察できます。

• - 南園: アジア熱帯雨林ゾーンでは以前アジアゾウが飼育されていましたが、現在は再開発中です。ペンギンパークではフンボルトペンギンとカリフォルニアアシカを展示しており、海の環境を模したリアルな体験ができます。

• - 新設施設: ふれあいの場として「ふれんどしっぷガーデン」が2022年にオープンし、子どもたちが動物と触れ合える機会を提供しています。

未来に向けた取り組み

天王寺動物園は、今後の長期計画「天王寺動物園101計画」を2021年に打ち出し、さらなる施設の充実を目指しています。入園者数の維持・増加に向けた施策や動物の生息環境保護、教育プログラムの拡充に力を入れています。

また、交通アクセスも良好で、複数の公共交通機関が利用できます。天王寺周辺には様々な観光スポットがあり、訪れる方々にとって一日中楽しめる環境が整っています。天王寺動物園は、ただの動物観察の場を超え、学びと発見の場として成長し続けています。

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