天祐 (唐)

天祐（てんゆう）は、中国の唐王朝末期、昭宗と哀帝の治世において用いられた元号です。904年から907年までの期間に使用され、唐王朝の最後の元号となりました。また、天佑とも表記されます。

唐王朝は、この元号が使用されたわずか数年後に滅亡を迎えますが、天祐という年号は、唐王朝の滅亡後も、その影響力を保持し続けました。河東、鳳翔、淮南といった地域では、唐王朝が滅亡した後も天祐の年号が継続して使用されており、石碑の碑文には「天祐二十年」という記述が見られるほどでした。さらに、岐、南漢、呉、呉越といった地域でも、唐王朝の滅亡後も、天祐の年号が使用されていました。これらの事例から、天祐という元号が、唐王朝の滅亡後も、各地で一定の影響力を持っていたことがうかがえます。

天祐元年の閏4月には、この元号への改元が行われました。同年8月には、昭宗が殺害され、哀帝が即位するという出来事がありました。2年7月には、白馬の禍と呼ばれる事件が発生しました。天祐4年3月には、哀帝が朱全忠に禅譲し、これにより唐王朝は完全に滅亡しました。

天祐の期間における主な出来事

元年閏4月: 改元。
元年8月: 昭宗が殺害され、哀帝が即位。
2年7月: 白馬の禍が発生。
4年3月: 哀帝が朱全忠に禅譲し、唐朝が滅亡。

参考文献

* 李崇智『中国歴代年号考 修訂本』（北京：中華書局，2001年1月） ISBN 7101025129

この元号は、唐王朝の終焉という激動の時代を象徴するものであり、その後の歴史に大きな影響を与えました。また、地方によっては唐の滅亡後も使用され続けたことから、当時の中央政権の影響力の弱体化と地方勢力の台頭を示す事例としても興味深いものがあります。

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