天野裕夫

天野裕夫（1954年生まれ）は、岐阜県瑞浪市出身の現代彫刻家です。多様な素材とスケール感、独創的な表現で知られています。

1972年に多摩美術大学彫刻科に入学後、1976年には岐阜県で最初のシンポジウムに参加。1978年には東京都で最初の個展を開催するなど、早くから精力的に活動を開始しました。

彼の作品は、巨大な陶器作品を含む多様な素材と、圧倒的なスケール感が特徴です。代表作として、岐阜県土岐市の屋外に設置された《アーチ構造》、同市の高浜工業株式会社正面玄関にある《大力(マウンティン・エネジー)》、仙台市わかば公園の《背美鯨》、仙台市もみじが丘公園の《心臓の人間》、宮城県名取市の屋外作品《ラピュタ》、東京都東京国際フォーラムホール内の《脳内世界》、奈良県吉野林泉寺の《護鬼佛理天》などが挙げられます。また、映画『海のオーロラ』のコンピューターグラフィックモデル原型作成にも携わっています。

天野氏の活動は個展にも及んでいます。1978年の日本画廊（東京都）を皮切りに、竹川画廊（東京都）、千葉県立美術館、東京セントラルアネックスLA TAMA '90（東京都）、半田市野外彫刻展、瑞浪市市之瀬廣太記念美術館、椿近代画廊（東京都）、美ヶ原高原美術館など、数多くの個展を開催。1990年には東京セントラルアネックスで個展「LA TAMA '90」を開催し、国内外で高い評価を得ています。2001年には、NICAF 2001 Tokyo – 第7回国際コンテンポラリーアートフェスティバルにも参加しました。

数々の受賞歴も誇ります。1984年には第3回高村光太郎大賞展 彫刻の森美術館賞、1986年には第1回ロダン大賞展美ヶ原高原美術館賞を受賞。1996年には第6回現代日本陶彫展で《重厚円大カエル》が金賞に輝き、2002年には円空大賞知事賞を受賞するなど、その高い芸術性が広く認められています。

出版物としては、1979年に『火石化石煉獄鬼深海からの招待――天野裕夫焼物彫刻作品集』を出版。1995年には伊藤信之氏との共著『曼陀羅鯨』を発表しています。

天野裕夫は、その独自の表現方法とスケールの大きさで、現代彫刻界に大きな影響を与え続けている重要な作家と言えるでしょう。彼の作品は、見る者に深い感動と想像力を掻き立て、現代社会における人間の存在や自然との関わりについて、改めて考えさせてくれます。今後も彼の更なる活躍に期待が高まります。

もう一度検索