天龍製鋸

天龍製鋸株式会社

天龍製鋸株式会社（Tenryu Saw Manufacturing Co., Ltd.）は、静岡県袋井市に本社を構える、産業用工具メーカーです。その主力製品は、各種産業用に使用される鋸であり、長年の技術と経験を活かした高品質な製品を提供しています。

沿革

天龍製鋸の歴史は、1909年（明治42年）に丸鋸の修理・改善を目的として設立された天龍鉄工合資会社に遡ります。翌1910年には天龍製鋸合資会社へと社名を変更し、浜名郡和田村橋羽（現在の浜松市中央区天龍川町）に移転しました。その後、1913年（大正2年）10月に天龍製鋸株式会社として法人化されました。

1918年には、東京と大阪に支店を開設し、事業の拡大を図りました。特に、1920年には技術者を英国に派遣し、木工用丸鋸の製造技術を習得。帰国後、日本初の製鋸事業に成功し、「スター印」ブランドを確立しました。

1930年には、木工用丸鋸が商工省から優良国産品に選定されるなど、その技術力は高く評価されました。戦時中には支店が閉鎖されるなどの影響を受けましたが、1946年以降、出張所の設置や支店の再編を通じて、再び事業を拡大していきました。

1960年代には、電動工具用丸鋸やチップソーの生産を開始。1980年代にはメタルソーやメタルチップソーの販売・生産も開始し、製品ラインナップを拡充しました。1984年には本社と工場を現在の袋井市に移転しています。

1988年には株式を店頭登録し、1990年代以降は海外展開を本格化させました。中国やアメリカ、タイなど、世界各地に製造・販売拠点を設立し、グローバル企業としての地位を確立しています。

近年の動向

2000年代には、海外子会社の完全子会社化や、中国・タイへの積極的な投資を行いました。また、2004年にはジャスダック証券取引所に株式を上場し、公開企業となりました。2010年代には、インドやメキシコにも拠点を設立し、グローバルネットワークをさらに拡大しています。

近年では、2017年に大牟田工場を開設し、2018年には中国・大連市に新たな拠点を設立するなど、国内外での事業拡大を続けています。

スティール・パートナーズによるTOB

2000年代には、アメリカの投資ファンドであるスティール・パートナーズが天龍製鋸への投資を開始しました。2007年には同ファンドによる株式公開買付けが行われましたが、天龍製鋸の取締役会はこれに反対しました。結果的に、この公開買付けは不成立となりましたが、スティール・パートナーズはその後も投資を継続しました。しかし、2010年には同ファンドによる株式保有は0%となり、主要株主の異動が確認されました。

製品

天龍製鋸の製品は、木工、金属加工、建設など、幅広い産業分野で使用されています。主な製品には、以下のようなものがあります。

木工用丸鋸
電動工具用丸鋸
チップソー
ダイヤモンドソー
メタルソー
メタルチップソー

これらの製品は、その高品質と耐久性から、国内外のプロフェッショナルに支持されています。

企業理念

天龍製鋸は、100年以上の歴史を持つ老舗企業として、技術革新を続け、常に顧客のニーズに応える製品を提供することを企業理念としています。また、グローバルな事業展開を通じて、社会の発展に貢献することを目指しています。

外部リンク

* 天龍製鋸株式会社 公式サイト

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