太原作戦

太原作戦 (たいげんさくせん)

太原作戦は、日中戦争の一環として1937年9月から11月にかけて、主に日本の北支方面軍と関東軍の部隊によって実施された軍事活動です。この作戦は山西省の太原を攻撃対象とし、「太原攻略戦」や「山西作戦」としても知られ、中国側では「太原会戦」と呼ばれています。

背景

日中戦争が激化する中、1937年の盧溝橋事件を契機に日本軍は北支那方面軍の主力として平漢線と津浦線に沿った作戦に着手しました。8月中旬より第5師団と関東軍による察哈爾作戦が開始され、9月中旬には大同付近を占領し、作戦は一段落としていました。しかし、列車による迅速な移動が難しく、部隊の転進が遅れました。日本側では敵の防御陣地が強化される中で、板垣征四郎中将は敵軍を打破して進軍を容易にすることを決意しました。

この策定には、参謀本部や方面軍の意見が分かれましたが、板垣の主張の影響で作戦が進むこととなりました。10月1日、ついに太原攻略の命令が下り、第5師団はその準備を始めました。

参加兵力

この作戦には、日本軍の北支那方面軍や関東軍を含む数多くの部隊が参加しました。主な部隊は、以下の通りです：

• - 北支那方面軍（司令官：寺内寿一大将）
• - 第5師団（師団長：板垣征四郎中将）
• - 混成第15旅団（旅団長：篠原誠一郎少将）など

一方、中国側でも山西軍、中央軍、四川軍などが20以上の師団を動員し、八路軍も参加して抵抗しました。

戦闘経過

平型関の戦い

9月21日から始まった平型関の戦いは日本軍にとって厳しい戦闘となり、日本側は多大な損失を被りました。特に三浦支隊は中国軍の猛攻に苦しみ、補給部隊が全滅。孤立状態に陥った三浦支隊を助けるために第5師団は増援を送りました。

最終的に、混成15旅団と第5師団の共同作戦によって、9月30日には中国軍が後退する結果となりますが、この戦闘では第5師団は戦死者270人、負傷者800人という大きな損害を抱えました。

忻口鎮の戦い

10月に入り、太原攻略の命令が下され、兵力を整えた第5師団は忻口鎮に集結した中国軍に直面します。中国側は堅固な防御陣地を築いており、戦況は膠着。しかし、増援が続き、戦闘は続きました。結果として、11月3日に中国軍が総退却しました。

娘子関の戦い

娘子関周囲も激しい戦闘が展開され、日本軍は中国軍の抵抗を受けながらも徐々に前進。最終的には日本軍が有利に運び、11月3日には中国軍が撤退を始めました。

太原の占領

11月4日、日本軍は太原への攻撃を開始し、激しい市街戦を経て、11月9日に太原を陥落させました。戦闘による日本軍の損失は889名の戦死者と2,827名の負傷者に上りました。

太原の占領後、整備された日本軍は石家荘方面へ転進を命じられ、関東軍の部隊も帰還することとなりました。しかし、この戦闘による損失や中国軍の堅固な抵抗は、日本側にとって予想以上の難戦を引き起こすこととなりました。

参考文献

• - 防衛研修所戦史室 『支那事変陸軍作戦(1)昭和十三年一月まで』
• - その他学術論文や著作

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