支那事変

支那事変についての詳細

概要

支那事変（しなじへん）は、日本と中華民国間で発生した武力衝突の名称です。この戦闘は、1937年7月7日の盧溝橋事件から始まりました。この事件は、日本の軍事キャンプに向けた銃弾発砲から発生し、一人の日本兵が行方不明となりましたが、その後無事に発見されました。事件の発端となった銃弾の発砲について、蒋介石率いる国民政府は「手違いによるものである」との声明を出し、正式な謝罪も行いました。日本側は、ドイツの駐中国大使に仲介を依頼しましたが、国内での反発によりその申し出は実現しませんでした。

事件発生から4日後の松井-秦徳純協定によって一時的に収束しましたが、日本政府は事件を「北支事変」と呼称し、7月11日には軍事課長が事変の性質を強調する発言を行いました。この発言によって、日本政府は武力抗日に対する自己防衛の意義を明言しました。さらなる事態の悪化を受け、中国共産党による徹底抗戦の呼びかけが行われ、戦闘は中支、さらには中国全土へと拡大していきました。

戦局の推移

事変の長期化に伴い、1941年12月まで両国は正式な宣戦布告を行わず、戦争状態が続きました。この間、米国や英国は国民政府を支援し、ソ連も空軍志願隊を派遣しました。一方、日本は南京に拠点を置く国民政府を支援しました。

1941年12月に日米戦争が勃発すると、蒋介石政権は日本に宣戦布告し、日中両国は正式に戦争状態に入ります。昭和16年12月12日の閣議では、戦争が「大東亜[[戦争]]」として認められることになり、支那事変という用語は以降使われなくなります。

呼称の変遷

支那事変は国際法上の正式な宣戦布告が行われなかったため、戦争とは呼ばれませんでした。日本政府は当初、北支事変と称していましたが、後に支那事変と改めました。1945年に連合国軍の指示で発表された「太平洋戦争史」では、依然として「支那事変」という用語が使用されました。1946年には中華民国の抗議を受けて、「支那」の使用を避けるよう通達が出され、その後「日華事変」などの用語が用いられるようになりました。特に、学校の教科書においても、徐々に呼称が改められ、昭和50年度には「日中戦争」という用語が記載されるようになりました。

これらの変更は、日本の中国に対する歴史的な認識や政治的な背景が反映されていることを示しています。1970年代には日中の国交正常化が進んだ結果、「日中戦争」という名称が定着し、他の呼称はほとんど使用されなくなりました。

結論

支那事変は、日本と中華民国の間の複雑な戦争の呼称であり、その経緯から見ても、戦争の歴史的背景や国際関係の変遷が多面的であることが理解できます。この戦争は我々に多くの教訓を与えており、特に呼称の変遷は、時代背景や歴史認識の変化を如実に反映しています。

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