太子道

太子道とは、日本の古代において、聖徳太子が通ったとされる道につけられた通称です。特に、飛鳥時代に聖徳太子が斑鳩宮から三宅の原を経由して飛鳥の小墾田宮へと往来した道が、この名前で呼ばれることが多くあります。

この道は、南南東方向に斜めに走っていることから「筋違道」とも呼ばれていました。具体的なルートとしては、現在の奈良県生駒郡斑鳩町の高安付近から東南方向に伸び、磯城郡三宅町の屏風・伴堂を通り、田原本町の矢部付近で南北に走る矢継街道へと合流します。その後、橿原市八木町から飛鳥川の堤を通り、高市郡明日香村へと至るルートであったと考えられています。

中世以降になると、この道は法隆寺街道と呼ばれるようになり、人々の往来に利用されました。現代においても、三宅町を通る区間は、同町の町道三宅70号線として活用されており、その一部が当時の面影を残しています。

また、日本各地には「太子道」と呼ばれる道がいくつか存在します。これらの道は、必ずしも聖徳太子が実際に通った道であるとは限りませんが、太子にゆかりのある場所へ繋がっていたり、太子信仰の影響を受けていたりするなど、様々な理由によって太子道と呼ばれてきました。

以下に「太子道」と呼ばれる日本の道をいくつか紹介します。

太秦広隆寺への参詣道として利用されていた道。（旧二条通）
旧二条通の南隣にある新道。（新二条通）
難波・四天王寺と飛鳥地方を河内飛鳥経由で結んだ道（丹比道）。（竹内街道）
難波・四天王寺と法隆寺を結んだ道（渋川道、龍田道）。（竜田越奈良[[街道]]）

これらの道は、それぞれが異なる歴史的な背景や目的を持っていますが、いずれも太子道という名前が示すように、聖徳太子の足跡や信仰と深く結びついていることがわかります。

なお、日本国外にも太子道という名前の道が存在します。

* 太子道（Prince Edward Road） – 香港の九龍半島にある主要道路。

このように、太子道という名前は、日本の古代道路にとどまらず、海外の道路にも使われていることがわかります。

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